中外製薬 nAMD、DMEに対するラニビズマブ眼内植込み型インプラント 国内申請へ 24週に1回薬剤充填
公開日時 2025/11/26 04:51
中外製薬は11月25日、ラニビズマブの眼内埋め込み型インプラント(Port delivery system)について、新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)及び糖尿病黄斑浮腫(DME)を対象疾患に日本で承認申請を予定していると発表した。同社の決算資料によると、申請予定時期は2026年。中外製薬は、nAMD及びDMEの患者を対象とする国内第1/2相臨床試験(TEIEN)の結果と、ロシュが海外で実施した海外第3相臨床試験(Archway、Pagoda)の結果を基に、国内申請する予定だとしている。
ラニビズマブPort delivery systemは、眼内に薬剤が長期かつ持続的に放出されるように設計された眼内植込み型インプラントで、インプラント、挿入器具、付属デバイス(初回充填針、再充填針、抜去器具)、カスタマイズされたラニビズマブ充填液からなる日本初のシステム。インプラントの挿入後、nAMDやDMEの患者に対し、24週に1回の頻度で薬液を再充填して使用する。ラニビズマブは、血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)に結合して阻害するよう設計されたVEGF阻害薬。
奥田修代表取締役社長CEOは、「nAMDおよびDMEの現在の標準治療では、4週から16週間隔で眼内に注射する必要があり、患者さんにとってより負担の少ない治療法が望まれている」との認識を示した。そして、「本剤は、日本で初めてとなる革新的な眼内インプラントを用いることで、24週に1回の薬剤の再充填により、長期的な効果の持続および治療負担の軽減が期待される。nAMDおよびDMEの患者さんにとって大きな進歩であり、医師や患者さんの家族にも貢献できる新たな治療選択肢になる」とコメントしている。
中外製薬がこの日に発表した国内第1/2相臨床試験(TEIEN)の結果によると、有効性はnAMD患者集団において、24週時点の最高矯正視力(BCVA)スコアのベースラインからの平均変化量は-1.4文字(95%信頼区間:-5.7,2.9)だった。安全性は、nAMDおよびDME患者集団において、これまで実施された海外臨床試験で認められている安全性プロファイルと同様だった。