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抗うつ薬「効果発現までの時間」、抗精神病薬「体重増加、脂質・血糖の上昇」に不満 精神科医師調査から

公開日時 2013/05/16 05:00

ヒューマンサイエンス振興財団(HS財団)開発振興委員会国内基盤技術調査ワーキンググループは、精神疾患領域の医師を対象に「気分障害に関する医療ニーズ調査」(2012年度)を実施し、その結果をまとめた。気分障害の治療に関しては、うつ病性障害や双極性障害に比べて非定型うつ病の治療満足度が低いことや、半数以上の医師は抗うつ薬の「効果発現までの時間」と「悪心・嘔吐」、抗精神病薬の「体重増加、脂質・血糖の上昇」、抗不安薬および睡眠薬の「乱用・依存性」について不満と捉えていることがわかった。

 

アンケート調査では、精神科医、心療内科医など精神疾患領域の医師86名から回答を得た(回収率23.1%)。併せて専門医5人へのヒアリングと文献調査も実施した。

 

◎非定型うつ病への治療満足度低い 有効な薬剤も不足

 

現在の治療について「十分満足のいく治療が行えている」「ある程度満足のいく治療が行えている」と回答した医師は、うつ病性障害91%、双極性障害76%に対して、非定型うつ病では43%にとどまった。非定型うつ病については、治療薬が治療に「十分貢献している」「ある程度貢献している」の回答も48%と低く、ワーキンググループは「非定型うつ病ではうつ病性障害に比較して有効な薬剤が不足していること、また、現状では治療が困難であることがうかがえた」と分析している。

 

患者数の動向について「増加する」との回答は72.9%に上り、気分障害の重要性について「増す」と回答した医師が84.3%を占めた。取り組んでいくべき課題としては、「個々の患者に有効な薬剤の選択(個別化医療)」「新規機序の薬剤の開発」、「客観的な鑑別診断法の確立」が多く挙がった。

 

なお、診断について難しいと感じる点について聞いたところ「単極性・双極性の鑑別」や「少ない判断材料」が多く挙がった。ワーキンググループでは「現在用いられているICD-10やDSM-IVなどの操作的診断法が比較的容易に診断できる反面、生物学的観点の診断は不十分であり、不適切な治療が継続される可能性がある」と指摘している。     

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