IMS 09年米国市場の予測成長率を上方修正 「金融危機に驚異的な強さ」
公開日時 2009/10/13 04:02
IMSヘルス社が10月に、2009年の米国医薬品市場の予測成長率を4.5~5.5%に上方修正したことが明らかになった。同社は今年4月、米国発の金融危機に伴う景気悪化を理由に、09年の米国市場は横ばいかマイナス成長に陥ると予測していたが、「米国市場は驚異的な強さを発揮している」(同社)ため、10月の最新の市場予測を引き上げた。一部の製薬企業では米国で製品価格の引き上げも行ったようだ。そのほか、最新の市場予測では、日本の10年の成長率について、10年4月の薬価改定を織り込んでマイナス2~0%と予想した。
IMSヘルスの最新の市場予測では、09年の世界の医薬品市場(恒常ドルベース)は5.5~6.5%成長(前回4月予想=以下同、2.5~3.5%成長)して、市場規模は7800億ドル以上(同7500億ドル以上)になると見込んだ。各市場の成長率は、米国が例年並みとしたほか、日本5~6%、新興国14~15%、英国・フランス・ドイツ・スペイン・イタリアのEUトップ5か国2.5~3.5%、その他6~7%――。本誌が3月に取材した際には、日本市場は4%前後の成長見込みだったため、1ポイント程度上方修正したことになる。
また、10年の世界の医薬品市場は4~6%成長して8250億ドル以上となり、8000億ドルの大台を突破すると予想した。各市場の成長率は米国4~6%、日本マイナス2~0%、新興国12~14%、EUトップ5か国1~3%、その他6~8%――で、日本だけ横ばいからマイナス成長とした。09年~13年の世界の医薬品市場の年平均成長率は、前回予想より1ポイント引き上げて4~7%とし、13年の市場規模は9750億ドル以上と予想した。
なお、日本の10年4月の薬価改定では、薬価と取引価格の開きを示す平均乖離率が前回08年4月改定時の6.9%より更に1~1.5ポイント開くとの観測があり、近年にない厳しい薬価改定になるとの見方がある。