中外製薬 抗がん剤アバスチン 日本で乳がんの効能追加申請
公開日時 2009/10/19 04:01
中外製薬は10月16日、大腸がん治療薬アバスチンの乳がんに対する効能追加申請を厚生労働省に15日付で行ったと発表した。申請内容は進行・再発乳がんの一次治療で、タキサン系などの化学療法と併用して使用する。女性のがん罹患者数は1位が大腸、2位が乳房、3位が胃とされる。今回の効能追加が承認されればアバスチンは、女性のがんのトップ1、2位に対する治療薬となり、更なる大型化が見込まれる。
アバスチンの乳がんに対する適応症は欧州で07年3月、米国で08年2月に取得している。同剤は08年通年に全世界で約5000億円を売り上げ、このうち乳がんが4割を占めた。残りの多くは大腸がんの売上げという。日本の08年の売上高は201億円。
日本での今回の効能追加申請は、国内の化学療法未治療の進行・再発乳がん患者約120人を対象にしたフェーズ2試験結果と、海外のフェーズ3試験結果で行った。国内フェーズ2の詳細な結果は非公表だが、有効性が確認されるとともに、忍容性は海外試験と同等の水準であることが示唆されたという。今後、学会発表する予定。日本の新規乳がん罹患者数は年々増加しており、10年の新規患者は4万5000人を超えるとの推計がある。