ノバルティスは12月20日、製造施設建設に関する覚書をロシアのサンクトペテルブルグ市との間で締結したと発表した。同社はロシア政府によるヘルスケア改革に協力する形で、今後５年間で５億ドルの投資を行う計画で、今回の製造施設建設はその一環。

ロシアでは９月に大型商品化が予想されている同社の多発性硬化症薬・ジレニア（一般名・フィンゴリモド）が世界で初めて認可されるなど、ノバルティスの存在感は高まっている。同社としても今回の投資を通じて、今後急成長する新興市場の１つとして注目を浴びているロシア市場でのプレゼンス強化を図りたい考えだ。

工場建設は2011年に始まる予定で、完成後は新薬のみならずブランドジェネリック品の製造も手掛け、同工場からロシア国内および近隣各国へ出荷する計画。

また、同社は研究開発やロシア政府の公衆衛生政策への協力も行っていく。研究開発などではノバルティスの開発品のロシア企業へのライセンスアウトやロシアの科学者や大学などからの新規化合物の導入、ロシアでの臨床試験実施なども行っていきたいとしている。

 ノバルティスのJoseph Jimenez最高経営者は「ノバルティスは長期的成長に向けてロシアで戦略的投資を行っていく。今回の提携を通じて、当社はロシア政府の野心的なヘルスケア改革に貢献していく」とコメントしている。