沢井製薬 買収防衛策の非継続を決議
公開日時 2011/05/13 04:00
沢井製薬は5月12日、同日開催の取締役会で、不適切な企業買収を受けないように導入していた買収防衛策を6月開催予定の株主総会をもって継続しないことを決議したと発表した。この非継続の理由は、買収防衛策を導入した2008年当時、敵対的企業買収を含めて様々な手法を使う投資ファンドが台頭していたが、最近はこういった投資ファンドが影を潜め、また運用ルールを含めた関連法令の整備もより充実してきたため。買収ハードルを自ら下げたようにも見えるが、「そういったことでは特にない」(沢井広報部)としている。
沢井は新薬ビジネスと後発品ビジネスを両輪とするハイブリッド型製薬企業を指向し、合併・提携相手を模索しているが、「(経営統合を打診し続けた)キョーリンに変わる相手は今のところ見つかっていない」という。
◎10年度は大幅な増収増益 後発品使用促進政策追い風に
沢井は同日、2011年3月期(10年度)決算を発表した。後発品使用促進に向けた10年4月の調剤体制加算の見直しもあって、売上高638億5300万円(前期比=以下同、27.5%増)、営業利益135億8600万円(59.5%増)、経常利益127億300万円(51.1%増)、純利益71億8300万円(44.2%増)――と大幅な増収増益となった。11年度見込みは売上高725億円(13.5%増)、営業利益145億円(6.7%増)、経常利益144億円(13.4%増)、純利益83億円(15.5%増)――。