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抗がん剤アバスチン 乳がん適応取り消しの米国市場で売上2桁減 各国に影響も

公開日時 2012/02/13 04:00

先頃発表されたロシュ・グループの2011年通期決算から、がん分子標的薬・アバスチン(一般名・ベバシズマブ)が同社主要品目の中で大きく売り上げを落としている現状が浮き彫りになっている。

2010年11月、米FDAは同年6月のFDA抗腫瘍薬諮問委員会での満場一致での承認取り消し勧告を受け、アバスチンのHER2陰性転移性乳がん一次治療の適応について承認取り消しを決定した。

ロシュが発表した11年通期のアバスチンの売上高は前年比7%減の52億9200万スイスフラン。売上減少率ではエリスロポエチン製剤・エポジン(一般名・エポエチン ベータ)の23%減(売上高8億9600万スイスフラン)、骨粗鬆症治療薬・ボンビバ(一般名・イバンドロネート)の22%減(同6億9600万スイスフラン)、免疫抑制薬・セルセプト(一般名・ミコフェノール酸モフェチル)の14%減(同9億9100万スイスフラン)に次ぐ売上高の落ち込みとなっている。

アバスチンの地域別通期売上高では米国が前年比14%減の23億4300万スイスフラン、西欧が同8%減の14億4800万スイスフランとなっている。同社では今回のアバスチン減収理由について、米国での決定により乳がん領域での使用が減少したことを上げており、「欧州や南米の一部でも乳がんでのアバスチン使用に対して影響を及ぼした」との分析を示している。一方、日本は米国での騒動のさなか独自判断でアバスチンの乳がん適応を承認しており、先ごろ発表された中外製薬の決算でも前年比7.6%増の売上高564億円となっている。

◎10億ドル減収との見方も

今後のアバスチンの見通しだが、一部のアナリストは米国での適応取り消しにより、ドルベースで約10億ドルの売上減になると指摘している。11年通期の米国での売上減はドルベースで約3億5000万ドル程度であり、前述の予測に従えば、12年中に米国を中心にさらに売上が減少すると考えられる。

ただ、Cancer誌に掲載された、欧米を中心とする564人の医師に対する調査では、アバスチンを今後も使用していくと答えたのは、トリプルネガティブ転移性乳がんで46.5%、乳がん一次治療で44.7%となり、医師側が必ずしもFDAの決定に完全に従うわけではないことを示している。一方、日本と同様に乳がん適応について変更のない欧州で、ロシュが分析するようにFDAの決定が影響を及ぼしている現状もあり、今後の動向は必ずしも一筋縄では考えられない側面も有している。

なお、ロシュの11年通期業績は、売上高425億3100万スイスフラン、純利益95億4400万スイスフランで、恒常為替レートでは1%増収26%増益、スイスフランベースでは10%減収7%増益となっている。部門別では医療用医薬品事業327億9400万スイスフラン(恒常為替レートベースで不変、スイスフランベース12%減収)、診断事業97億3700万スイスフラン(同6%増収、7%減収)――。

前述以外の主要医療用医薬品売上高は抗がん剤・マブテラ/リツキサン(一般名・リツキシマブ)60億500万スイスフラン(恒常為替レート前年比8%増)、抗がん剤・ハーセプチン(一般名・トラスツズマブ)52億5300万スイスフラン(同9%増)、加齢黄斑変性治療薬・ルセンティス(一般名・ラニビズマブ)15億2300万スイスフラン(同23%増)、インターフェロン製剤・ペガシス(一般名・ペグインターフェロン アルファ-2a)14億3800万スイスフラン(同3%減)、抗がん剤・ゼローダ(一般名・カペシタビン )13億5400万スイスフラン(同8%増)、抗がん剤・タルセバ(一般名・エルロチニブ)12億5100万スイスフラン(同7%増)、関節リウマチ治療薬・アクテムラ(一般名・トシリズマブ)6億1800万スイスフラン(同73%増)、持続型赤血球造血刺激因子製剤・ミルセラ(一般名・エポエチン ベータ ペゴル)3億4400万スイスフラン(同50%増)――だった。

 

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