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独医師のベンケ氏 SGLT2阻害薬の体重減少作用 患者の治療意欲高める フォシーガの3年の使用経験から

公開日時 2014/04/18 03:51
独ノイヴィート臨床試験センター治験責任医師のトーマス・ベンケ氏は4月17日、「糖尿病の新しい治療オプション SGLT2阻害剤」と題した記者セミナー(主催:アストラゼネカ/小野薬品)で講演し、SGLT2阻害薬フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)を用いた3年余りの診療経験から、フォシーガは有効性と安全性が共に高く、幅広い糖尿病患者に有用との認識を示した。ただ、投与初日から速やかに薬効を発揮するため、導入前には患者背景や治療中の薬剤を確認し、腎機能低下例や多尿症、高齢者には慎重に用いるほか、インスリンや利尿薬で治療中の場合にはそれらの薬剤の減量を考慮することを推奨した。
 
SGLT2阻害薬は、腎臓で血糖を再吸収するSGLT2を阻害し、過剰な糖を尿中に排出する新しい機序の血糖降下薬。治験では血糖値の低下に加え、体重減少や血圧低下が示されている。一方で、副作用としては脱水、体液量減少、尿路感染症、性器感染症が指摘されている。
 
欧州では2012年11月にフォシーガが承認され、日本に先んじて臨床経験が蓄積されている。ベンケ氏は、同薬を用いた診療経験のうち、副作用の発生状況や対応について説明した。高齢者などへの投与で懸念されている体液量減少や脱水については、これまで少数の患者に影響を与えた程度で、影響が見られた場合でも深刻な症状はなかったとしている。また、治験で5%程度の患者に見られた尿路感染症や性器感染症については、治療開始前に患者によく説明し、衛生管理を促すことで防ぐことができているという。一方、効果の面では、フォシーガによる体重減少によって治療意欲が増し、前向きに生活習慣を見直す患者が多いとして、「生活や治療の質を高めている」と評価した。
 
ベンケ氏は、1型糖尿病患者への治験が進行中であることも紹介。自らも1型糖尿病患者としてフォシーガを服用し、良好な管理状況にあることを明かした。欧州では3年以内にフォシーガで1型糖尿病の適応を取得する見通しだという。
 
◎6成分で差はない 用法の柔軟性でフォシーガにアドバンテージ
 
ベンケ氏と共にセミナーで講演した順天堂大学代謝内分泌内科学の綿田裕孝教授は、SGLT2阻害薬が適した患者像や2型糖尿病治療における同薬の位置付けについて見解を述べた。綿田氏は、SGLT2阻害薬では浸透圧利尿が生じ、患者の尿量が1日あたり200~600mL増加することや、脂肪組織が分解される際に一部の筋肉も分解されることが示唆されているため、痩せている患者や高齢者には向かず、「肥満傾向の患者に適している」と指摘した。
 
2型糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の位置づけについては、DPP-4阻害薬での効果不十分例やメトホルミンへの忍容性が低い場合など併用療法を中心に、個々の病態や薬物治療の状況に応じて用いられていくとの見方を示した。なお、インスリンとの併用については、国内治験データが十分に蓄積されていないことから慎重に導入していくべきと指摘した。
 
SGLT2阻害薬は国内で6成分が開発されているが、綿田氏はいずれの成分にも薬理作用に差がなく、「薬効は同等」と語った。そのうえで、フォシーガでは他剤にある「朝の服用」との規定がないことから、「患者さんのフレキシビリティーを高める。朝に限定されるより飲みやすいということは間違いない」と服用タイミングの柔軟性が訴求ポイントの1つになるとの見方を示した。また、2年間の海外データが既に蓄積されている点についても、患者に推奨しやすいポイントになると語った。ただ、長期安全性の確立には10年程度の積み重ねが必要とも指摘している。
 
SGLT2阻害薬のうち、アステラス製薬、MSD、寿製薬が手掛けるスーグラ(一般名:イプラグリフロジン)がファーストインクラスとして同日に発売された。フォシーガはトホグリフロジンやルセオグリフロジンとともに5~6月に薬価収載され、2番手で登場する見通しとなっている。
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