臨床研究の光と影 ディオバン問題の深層に迫る
公開日時 2013/10/31 00:00
2000年初頭、脚光を集めた大規模臨床試験。日本人を対象とした臨床試験が数多く行われ、それに基づいた標準治療が確立されてきた。製薬企業も大規模臨床試験の結果を臨床医に伝える、エビデンスを柱としたプロモーションに注力してきた。しかし、いままさにその輝きが色あせようとしている。ARB・ディオバン(一般名:バルサルタン)をめぐって実施された大規模臨床試験「JIKEIHEARTStudy」、「KYOTOHEARTStudy」などで、データの改ざんが指摘された。いまや、臨床試験の根幹が揺らいでいると言っても過言ではない。これは決して、ディオバンの販売元である製薬企業ノバルティスファーマ1社のみにとどまる問題ではない。日本の臨床研究にかかわるすべての製薬企業、医療界が考えるべき問題だ。一連のディオバン問...