AZ・14年度通期決算 R&D費や財務費用の増加で二桁減益
公開日時 2015/02/17 03:50
アストラゼネカはこのほど2014年通期業績(14年1~12月)が売上高260億9500万ドル(前年同期比1%増)、営業利益37億1200万ドル(同42%減)、純利益12億3500万ドル(同52%減)の増収二桁減益となったと発表した。
2014年にアメリカで特許失効した戦略品のプロトンポンプ阻害薬(PPI)ネキシウムの後発品遅延などはあったものの、主要製品の特許切れの影響を引きずり、前期比139%増だった糖尿病関連治療薬の大幅な増収で、マイナス要因をカバーした。一方、研究開発費や財務費用などの経費面の増加により、利益は2年連続の二桁減益となった。2014年通期の研究開発費は前期比16%増の55億7900万ドル。なお同社では2015年通期売上高は恒常為替レートベースで一桁台の半ばのパーセンテージでの減収と予想している。
地域別売上高ではアメリカが101億2000万ドル(同4%増)、ヨーロッパ(西ヨーロッパおよび新興ヨーロッパ)66億3800万ドル(同0.3%減)、日本が22億2700万ドル(同10%減)、カナダが5億9000万ドル(同7%減)、オーストラリア・ニュージーランド6億9300万ドル(同19%減)、新興市場(ブラジル、中国、インド、メキシコ、ロシア、トルコなど前記主要国以外)58億2700万ドル(同8%増)。なお新興市場のうち中国は22億4200万ドル(同22%増)。日本の減収については薬価改定や後発品との競争激化、さらにネキシウムでの自主回収騒動の影響としている。
◎クレストール2%減、ネキシウム6%減、シムビコート9%増
主な製品別売上高は脂質異常症治療薬・クレストール55億1200万ドル(同2%減)、ドライパウダー吸入式喘息・COPD治療配合薬シムビコートが38億100万ドル(同9%増)、PPI・ネキシウムが36億5500万ドル(同6%減)、抗精神病薬セロクエルXRが12億2400万ドル(同9%減)、ドライパウダー吸入式ステロイド薬パルミコートが9億7800万ドル(同1%増)、RH-LHアゴニストのゾラデックスが9億2400万ドル(同7%減)、RSウイルス感染症治療薬シナジスが9億ドル(同15%減)、DPP-4阻害薬オングリザが8億2000万ドル(同117%増)、高血圧・狭心症・不整脈治療薬セロケン/トプロールXLが7億5800万ドル(同1%増)、抗エストロゲン薬フェソロデックスが7億2000万ドル(同6%増)、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬イレッサが6億2300万ドル(同4%減)、高血圧症治療薬アタカンドが5億100万ドル(同18%減)、抗血小板薬ブリリンタが4億7600万ドル(同68%増)、2型糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬)ビデュリオンが4億4000万ドル(同191%増)、2型糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬)バイエッタが3億2700万ドル(同59%増)、抗アンドロゲン薬カソデックスが3億2000万ドル(同15%減)、抗がん剤アリミデックスが2億9800万ドル(同15%減)、抗精神病薬セロクエルIRが1億7800万ドル(同48%減)。このうちシナジスは2014年通期でブロックバスター圏外となった。