新薬ニーズ 日本は「認知症」、米国は「肥満」が第1位 日米の医師意識調査を分析
公開日時 2015/07/08 03:51
マーケティングリサーチサービスを展開する社会情報サービス(通称SSRI)とエムスリーはこのほど、日米それぞれの医師の新薬ニーズ調査結果を分析したところ、日本の医師は「認知症」の新薬を、米国の医師は「肥満」の新薬を最も求めていることがわかった。日本では認知症対策が社会問題化し、米国では肥満が大きな国家的問題になっていることから、両社は「現代の両国内の問題を強く反映している」とコメントしている。
文末の関連ファイルに、日米それぞれの新薬ニーズの高い上位15疾患の一覧表を掲載しました(7月10日まで無料配信、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
この分析は、エムスリーの医師会員約2万人を対象に441疾患について診療患者数などを調査した「PatientsMap 2014日本版」と、エムスリー米国子会社の医師会員約6000人を対象に400疾患について同様の調査を行った「PatientsMap 2014米国版」の調査結果をもとにしたもの。調査期間は日本版が14年6月下旬~9月上旬、米国版が13年12月下旬~14年2月下旬。
日本で新薬ニーズの高い疾患のトップ5は認知症(回答割合14.5%)、「季節性アレルギー」(10.1%)、「敗血症」(9.5%)、「通年性アレルギー」(8.8%)、「糖尿病」(8.4%)――、米国では肥満(27.4%)、「うつ病・うつ状態」(23.7%)、「糖尿病」(22.1%)、「認知症」(20.5%)、「片頭痛」(19.5%)――の順だった。
全体的に新薬ニーズは米国の医師で高い傾向にあり、米国では精神疾患が日本に比べて上位にあることが特徴のひとつといえる。また、他国に比べて日本で有病率が高いアレルギー疾患は米国ではトップ15疾患にも入っていない。