米FDA 大鵬薬品の結腸直腸がん治療薬・ロンサーフを承認
公開日時 2015/09/30 03:50
米食品医薬品局(FDA)は9月22日、大鵬薬品の結腸直腸がん治療薬Lonsurf(トリフルリジン/チピラシル配合剤)を承認した。適応は、他剤が無効となった進行結腸直腸がん。Taiho Oncology(本社:ニュージャージー州プリンストン、大鵬薬品子会社)が製造する。Taiho Oncologyにとっては、FDAで承認される初の薬剤となる。
国内では、2014年3月に承認され、5月に「ロンサーフ配合錠」の製品名で「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん(標準的治療が困難な場合に限る)」の適応で発売された。15年3月に「標準的治療が困難な場合に限る」の限定条件が解除され、適応症は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」となった。
主な副作用は、貧血、好中球減少症、血小板減少症、疲労感、悪心、食欲不振、下痢、嘔吐、腹痛など。
FDAは、医療専門家に対して、同剤には骨髄抑制作用があるので、治療開始前に血球数の完全な把握と治療期間中のモニタリング実施を推奨している。
Taiho OncologyのEric Benn社長兼CEOは、「標準治療後に進行した結腸直腸がんの患者は、治療選択肢が限られていた」と指摘。「全生存率を延長することに役立つ新規治療選択肢提供することが、アンメット・メディカルニーズを満たすことにつながる。Taiho Oncologyにとっては初のFDA承認となったので、重要なマイルストーンである」と話した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液および腫瘍製品部長は、過去10年で結腸直腸がんの診断・治療では大きな進歩を見たとしながらも、「いまだ、別の治療選択肢を必要とする患者が多数存在する。本日の承認は、FDAが、アンメット・メディカルニーズが残っている疾患領域における新薬を開発するために、製薬企業と協力して取り組んでいることの証である」とコメントした。
米NCI(国立がん研究所)によると、結腸直腸がんは皮膚がんを除いて3番目に多いがんという。米国における、がん関連死の2番目の死因となっているが、過去10年間で結腸直腸がんの症例数および死亡数ともに大腸内視鏡検査などスクリーニングの普及で減少傾向をたどっている。