日医と政府系ファンド 地域包括ケア実現へ新会社設立 標準レセソフトを医療機関や電カル企業に販売
公開日時 2015/11/06 03:50
政府系ファンドの地域経済活性化支援機構は11月5日、地域包括ケアの実現に向け、日本医師会を発起人とする新会社「日本医師会ORCA管理機構」を設立することを決めたと発表した。設立は12月上旬。新会社では、日医標準レセプトソフト「ORCA」(オルカ)を医療機関に販売するほか、ORCAのエンジン(部品)を電子カルテメーカーに販売していく。地域包括ケアの実現にあたり、医療機関同士の情報共有やネットワーク作りがカギを握るとされており、ORCAのエンジンが各種電子カルテに搭載されることで仕様の統一やネットワークの基盤作りにつなげたい考え。
地域支援機構のファンド運営子会社などが運営する「地域ヘルスケア産業支援ファンド」と日医が新会社に共同出資する。同ファンドには地域の金融機関などが出資している。新会社の代表取締役会長に石川広己・日医常任理事が、代表取締役社長に上野智明・日医総研主席研究員が、顧問に横倉義武・日医会長が就任する。新会社の事業内容は「医療情報システム及び周辺システムの企画・開発・販売・保守等」としている。
新会社は、日医のシンクタンクである日医総研が手掛ける「ORCAプロジェクト」(=日医主導の医療現場IT化プロジェクト)を引き継ぐとともに、時代の潮流に合わせた医療ICTの高度化を推進していく。地域支援機構は、「新会社が、主に地域包括ケアシステムの核となる地域クリニックに対して安定的かつ低廉な各種医療情報システムを提供することにより、医療事務の効率化・情報の標準化を推進していくことが、日本の医療の向上・発展に寄与するものと考えている」としている。
日医総研によると、ORCAの稼働状況は1万5122施設(10月15日現在)。