日医・松本会長 26年度改定「1兆円規模の補正予算の発射台に更なる対策を」 改定率は2年支援の高さ
公開日時 2025/12/04 04:53

日本医師会の松本吉郎会長は12月3日の定例会見で、2026年度診療報酬改定について「補正予算の土台を発射台として、更なる物価高騰・賃上げ対策が不可欠だ」と訴えた。閣議決定された25年度補正予算案では、厚生労働省予算で「医療だけで1兆円規模の大規模な補正」が行われたが、あくまで「過年度の不足分への対応」との見方を表明。根本的な解決に向け、原則2年に1回の診療報酬改定では、今後2年間に予測される物価高騰や賃上げを踏まえて「次の2年間をしっかり支援いただけるような高さを持った改定率をお願いしたい」と強調したい。
25年度補正予算案では、「賃上げ・物価上昇に対する支援」の5341億円を含め、厚労省の医療分の予算として、合わせて1兆36815 億円が予算措置された。松本会長は、「国民医療を守るための総決起大会」の場などを通じ、「全国の地域医師会や医療関係団体、医療従事者等の医療界全体による切実な訴えが、今回の予算措置として大きく実を結んだものと考えている」として感謝を述べた。
ただ、「補正正予算は文字通りあくまで補正的な措置で、過年度の不足分への対応」と指摘。「大量出血の状態にある医療機関に対し、まずは一時的に止血するものだ。大切なことは、出血を止めた上で、26年度診療報酬改定での根治治療を行っていくことだ」と強調した。
改定に際しては、「昨今の賃金・物価上昇の状況、通常の改定分に取り仕上げているような高齢化に対する対応、なかなか難しい課題だが医療の高度化に対する対応、こういったものをしっかりと積み上げる」ことが必要との考えを示した。
なお、自民党の「国民医療を守る議員の会」(加藤勝信会長)が前日の2日に採択した決議文には、「26年度予算編成における次期診療報酬改定について、この2年間の物価・賃金増を反映すると共に、物価賃金の影響を勘案した上で、今後2年間の物価賃金動向、医療の技術革新、高齢化に対応した大幅なプラス改定とすること」が盛り込まれていることも紹介した。