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自民党・厚生労働部会 臨床研究法案了承 モニタリング、利益相反管理求める 今通常国会提出へ

公開日時 2016/04/28 03:51

自民党厚生労働部会(古川俊治厚生労働部会長)は4月27日、政府提案の「臨床研究法案」の審査を行い、今通常国会への法案提出を了承した。同法案では、製薬企業が資金提供する臨床試験や、未承認・適応外薬を対象とした臨床研究について、実施する研究者に、カルテとデータの一致を確認する“モニタリング”や利益相反管理の遵守を義務付けた。一方、資金を提供する製薬企業などには、公表制度を定める。法律を厳守しない場合には、臨床試験の中止などの改善命令や罰則規定を設けた。法制化をめぐる議論は、ARB・ディオバン(ノバルティスファーマ)の臨床研究でのデータ改ざんや不透明な多額の資金提供が明るみになったことを踏まえて進められてきた。法制化により、臨床研究の不正に歯止めをかけるとともに、適切な産官学連携の推進が期待される。

法案では、▽薬機法における未承認・適応外の医薬品、▽製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品――についての臨床研究を「特定臨床研究」と規定し、臨床研究の実施に関する手続きを示した。

◎モニタリング GCPより流動的な形で運用

具体的には、臨床研究を実施する研究者への義務規定、臨床研究を審査する倫理審査委員会の機能強化、製薬企業への資金公開の義務規定などで、研究者、製薬企業双方に義務規定を盛り込んだ。遵守できない場合の規定も設け、適切な臨床試験の実施を促す。

臨床研究を実施する研究者などには、モニタリング・監査の実施、利益相反の管理など実施基準の遵守、記録の保存を義務付ける。治験では、承認申請を目的とすることから、GCP省令の遵守義務があるが、特定臨床研究では、モニタリングの頻度などを明確に決めず、GCP省令よりも流動的な運用を視野に入れる。義務規定を盛り込むことで、データ改ざんなどを防ぎ、臨床試験の質担保をうながしたい考えだ。

研究計画や有害事象対応の審査体制も整備する。倫理審査委員会が審査を行っているが、十分に機能していないケースも少なくない。そのため、委員構成などについて厚生労働大臣の認定を受けた「認定臨床研究審査委員会」を設置、審査を行う形に改める。臨床研究中核病院や特定機能病院など、機能を集約化した倫理審査委員会の形も想定する。機能強化により、臨床研究不正の歯止めとしての役割を発揮してもらうことを視野に入れる。

特定臨床研究との関連性が疑われる重篤な疾患などが発生した場合の対応も明確化し、認定臨床研究審査委員会と厚生労働大臣への報告を義務付けた。

行政指導も強化する。これまでは、強制力がなかったが、法制化により法律に基づく調査権限・監視指導も実施できることになる。実施基準に違反した場合には、厚生労働大臣が改善命令を行い、従わない場合には臨床研究の中止命令、罰則規定を課すことも可能となる。


◎製薬企業 原稿執筆料・講師謝金も公表を義務化



製薬企業に対しては、自社製品の臨床研究への資金提供の契約締結義務化に加え、医師などへの資金提供について、毎年度の公表を義務付ける。対象範囲は、研究費や奨学寄附金に加え、原稿執筆料・講師謝金とした。接遇費などは含まれない。企業が違反した場合は、厚生労働大臣が勧告を行い、勧告に従わない場合には企業名の公表を行うことも盛り込んだ。

そのほか、附則として、法施行後2年以内に、遺伝子の導入を伴う臨床研究、その他の十分な科学的知見が得られていない医療について、有効性・安全性の検証の在り方を検討し、法規制も含めた必要な措置を検討することを求めた。

なお、法案の施行期日は、「公布の日から起算して1年を越えない範囲内において政令で定める日」としている。

 

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