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薬食審 新薬など7製品を審議、全て承認了承 オプジーボのホジキンリンパ腫適応追加など

公開日時 2016/11/14 03:52

厚労省の薬食審医薬品第二部会は11月11日、新薬など7製品の承認の可否を審議し、全ての承認を了承した。この中には小野薬品のがん免疫療法薬で抗PD-1抗体オプジーボ点滴静注に「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」の適応追加が含まれる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請社名)

ジメンシー配合錠(ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。再審査期間8年。

3成分配合のC型肝炎治療薬。1回2錠を1日2回、食後に経口投与する。投与期間は12週間。有効成分のベクラブビルは国内未承認。ダクラタスビルは国内製品名ダクルインザ、アスナプレビルは同スンベプラ。

ダクルインザとスンベプラは併用して使用するが、NS5AまたはNS3耐性関連遺伝子変異のうち、NS5A領域のY93H及びL31l/M/Vが検出された被験者ではHCV持続陰性化(SVR24)率は低く、また、ジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者でも治療効果が低かった。このためベクラブビルを加えた配合剤が開発された。ダクルインザ、スンベプラ、ベクラブビルはC型肝炎ウイルスの複製にかかわるNS5A、NS3/4Aプロテアーゼ、NS5Bポリメラーゼをそれぞれ阻害し、HCVの増殖を抑える。この配合剤は海外で承認されていない(16年8月現在)。

ベムリディ錠25mg(テノホビル アラフェナミドフマル酸塩、ギリアド・サイエンシズ):「B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間5年10か月。優先審査品目。

テノホビルアラフェナミドはテノホビルの経口プロドラッグ。既承認のテノホビルの経口プロドラッグであるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF、日本では「テノゼット錠」としてGSKが販売)と同様の効果を、TDFの10分の1以下の用量で示すことが確認され、TDFの特徴的な有害事象として知られる腎機能障害や骨密度の低下の軽減も期待されている。1日1回経口投与で用いる。海外では、B型慢性肝疾患に対して米国及び欧州で16年1月に承認申請されている。

プレジコビックス配合錠(ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット、ヤンセンファーマ):「HIV感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合薬。再審査期間はコビシスタットを含有するスタリビルドの残余(平成35年3月24日)。希少疾病用医薬品。

HIVプロテアーゼ阻害薬のダルナビル800mgと、CYP3A阻害作用によりダルナビルの血中濃度を増加させるコビシスタット150mgを含有する配合薬。同配合錠とヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(以下、NRTI)の計2剤を、1日1回、食事中または食直後に経口投与して用いる。従来はダルナビル、ブースターであるリトナビル、NRTIの計3剤を1日1回服用する必要があった。海外では、同配合錠は欧米で承認済。

レルベア100エリプタ14吸入用、同100エリプタ30吸入用(ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル、グラクソ・スミスクライン):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(平成33年9月19日まで)。

吸入ステロイド(ICS)のフルチカゾンと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のビランテロールを含有する吸入配合薬。1日1回吸入投与で用いる。海外では米国、カナダ、欧州など世界40か国以上で承認済(16年8月現在)。なお、現在の適応は、気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)。

モゾビル皮下注24mg(プレリキサホル、サノフィ):「自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発要請品目。

C-X-Cモチーフ ケモカイン受容体4(CXCR4)阻害作用を持つ低分子化合物。G-CSF製剤と併用して用いる。海外では54の国・地域で承認済(16年7月時点)。

血液がん治療では抗がん剤を用いた大量化学療法が実施されることがある。その場合、副作用として、血液を作り出す骨髄の機能が抑制されるため、治療後の造血機能及び免疫機能の回復が必要になる。そのため、血液を作るもとになる患者自身の造血幹細胞を事前に採取し、大量化学療法後に患者の体に戻す自家移植が行われる。

しかし、一部の患者では十分量の造血幹細胞を得られず、結果として移植を断念せざるを得ない場合がある。また、十分量の造血幹細胞を収集するのに1日数時間、連日行う必要があり、患者の負担も大きい。同剤は造血幹細胞を骨髄から末梢血へ循環させる「動員」を促進させる働きを持ち、造血幹細胞採取の回数の減少と採取率を向上させる。

オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」を追加する新効能医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。

ホジキンリンパ腫の国内年間患者数は推定約2000人で、この8~9割が古典的ホジキンリンパ腫とされる。類薬にはアドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え))などがあり、オプジーボはブレンツキシマブに抵抗性または不耐容の再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対する治療選択肢のひとつとなる。今回の追加適応について海外では、2か国で承認済(16年7月時点)。

なお、オプジーボで現在承認されている適応は、▽根治切除不能な悪性黒色腫▽切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん▽根治切除不能または転移性の腎細胞がん――で、今回が4つめとなる。

イムブルビカカプセル140mg(イブルチニブ、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を追加する新効能・新用量・その他の医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。

疾患の進行に関与するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的に腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制すると推測されている。通常、成人には560mgを1日1回経口投与で用いる。

マントル細胞リンパ腫は悪性リンパ腫の一種。稀な血液がんで、全悪性リンパ腫の約3%、推定患者数は約1600人。類薬にトレアキシン(一般名:ベンダムスチン)などがあり、イムブルビカは治療選択肢のひとつとなる。海外では、74の国・地域で承認済(16年7月時点)。

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