厚労省 AI用いた診療支援 最終決定と責任は“医師”に 方向性を提示
公開日時 2017/02/21 03:50
厚生労働省は2月20日、第2回保健医療分野におけるAI活用推進懇談会を開き、論点のひとつになっていたAIを用いた診療支援の際の最終決定者と責任の所在に関し、最終的な意思決定は医師が行い、その医師が責任を負うべきとの考え方の方向性を示した。この日は時間切れで、この方向性に関する事務局からの説明や議論はなく、資料のみ提示した。次回以降に議論する。同懇談会としては17年春に報告書を取りまとめる。
AIを活用した診療支援としては、これまでに病理診断支援がアイディアのひとつに挙がっている。第1回懇談会では、診断確定や治療方針確定といった最終意思決定は医師が行うことを明確にしておくべきではないか、AIの推測を基にした診断に誤りがあった場合に責任を負う者を明確化すべきではないかとの意見があり、この日の第2回懇談会で事務局(医政局、医薬局)が方向性を示した資料を提示した。
資料では、医師が責任を負うものの、その前提として医師に対するAIの教育を行う必要性も指摘。さらに、AIを活用したより良い診療支援の確立のため、「保健医療分野におけるAI開発への医師の関与が必要ではないか」とも明記している。
■AI創薬は次回議論
同懇談会ではこの日、AIを活用した創薬も議題としていたが、時間切れで次回に持ち越した。AI創薬では、創薬のほか、より適切な診断につなげることも議論する。