クレハ 抗悪性腫瘍剤クレスチンの製造販売中止
公開日時 2017/03/21 03:51
クレハは3月17日、同社が製造販売し、第一三共が販売している抗悪性腫瘍薬クレスチン細粒の製造販売を中止すると発表した。中止理由は、クレハによると、同剤の製造工程で必要になる装置の調達が難しく、将来的に生産が難しくなると見込まれることや、がん薬物療法が大きく変化したことで同剤の需要が減少しているためで、製造販売を中止しても治療への影響は少ないと判断した。第一三共からの販売は9月末で中止の予定。
同剤は17日付の官報告示で、製造販売中止を周知する経過措置品目に移行。同措置は2018年3月末で満了し、薬価基準から削除される。
同剤はかわらたけ由来のたん白多糖体で、低下した免疫応答を改善・回復する免疫賦活作用が特徴とされている。76年8月にクレハが承認取得し、77年5月に薬価収載、当時の三共が販売。医薬品再評価指定を受けて89年12月に、効能・効果が「胃がん(手術例) 患者及び結腸・直腸がん(治ゆ切除例)患者における化学療法との併用による生存期間の延長、小細胞肺がんに対する化学療法等との併用による奏効期間の延長」と改められ、単剤使用は認められなくなり、化学療法と併用する薬剤となった。売上高は開示していない。