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中医協 費用対効果評価 2018年度制度化で無作為抽出の国民対象に他人への支払い許容額調査へ

公開日時 2017/08/24 03:51

厚生労働省は8月23日の中医協費用対効果評価部会に、2018年度の費用対効果評価の制度化を見据え、総合的評価(アプレイザル)に活用するための国民への支払い意思額調査の質問内容や活用方法などを提案した。調査は、住民基本台帳から3000人の国民を無作為に抽出し、他人が完全な健康状態で1年間生存する場合を想定して、新たな医薬品や医療機器について許容できるコストや支払い能力などを国民的な目線を調査するもの。人口の高齢化に伴う社会保障費の高騰が医療制度改革の柱に据えられるなかで、オンコロジー領域など革新的技術のコスト評価を判断する際のデータとして活用する狙いが込められている。

抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題は、医療保険の持続可能性を維持する観点からも社会的問題となった。こうした中で、価値に基づく薬価体系を実現するためにも、費用対効果評価は一つの切り札とみられている。費用対効果評価は、2016年度改定で試行的導入され、現在、医薬品7品目、医療機器6品目について分析が進められている。18年度改定が迫る中で、制度化に向けた議論と共に、この13品目については結果を踏まえた価格調整を行うことから、制度化と切り分けた価格調整の在り方などの議論も進められている。

国民に支払い意思をたずねた調査結果(支払い意思額調査)は、総合的評価(アプレイザル)に際し、費用効果分析により算出された増分費用効果比(ICER)を評価する基準の値として用いられることになる。試行的導入では、改定が迫っていることから、この調査結果は活用せず、これまでの研究や海外の状況などを活用する考え。今回提案された内容は、20年度からスタートする制度化で導入されることになる。


◎支払側・幸野委員「走りながら修正を」


この日、厚労省は、支払い意思額調査について、これまで中医協での議論を踏まえて対応策を提示した。調査では、選ばれた国民に対して、住所地を訪問して面接調査を実施する。この際、日本の公的医療保険制度に関する資料を用いて説明するなど、一定の理解を得た上で、「完全な状態で1年間生存すること(1QALY)を可能とする医薬品・医療機器などの新しい治療法が開発され、その治療法にかかる費用の総額について社会としていくら負担すべきか」尋ねる。想定する患者の年齢なども一定程度特定する考え。回答内容が回答者の健康状態に影響を受ける可能性があることから、健康上の問題を抱えている人には他人であることを想定してもらう。調査対象は、全国市町村100地点以上を調査地点とし、住民基本台帳から無作為に抽出した3000人。ただし、調査対象の所得分布などが日本の人口構成比を反映していないと判断した場合には補正を行う。また、調査結果については1回限りのものと限定せず、費用対効果評価の制度化後の状況を踏まえながら実施することも提案した。


支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「意見も出尽くした感もある。完璧な状態で走り出すことは無理だ」と指摘。厚労省側が複数会の調査の実施を提案したことから、「いたずらに時間を浪費するだけだ。走りながら変えていこうということで支払側は意見がまとまった」と述べた。一方、診療側の松本純一(日本医師会常任理事)は、質問の内容について、「ここまでややこしくする必要があるのか」と指摘し、国民から見てわかりやすい質問となることを要請。さらに、「これができないと、アプレイザルができないのか。早く試行的導入の結果が見たい。制度が動く、動きをしていくのは良いと思うが、試行的導入の結果が必要だという認識に変わりはない」と述べ、「アプレイザルの評価をどうやるかに尽きる」と述べ、試行的導入の結果を踏まえた上で制度化のデザイン設計を行う必要性を指摘した。
 

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