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厚労省 新薬15製品を承認 新規機序の乳がん薬イブランス、抗PD-L1抗体バベンチオなど

公開日時 2017/09/28 03:52

厚労省は9月27日、新薬15製品33品目を承認した。この中にはファイザーの乳がんに用いる世界初の経口サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬イブランスカプセル(一般名:パルボシクリブ)や、メルクセローノのメルケル細胞がんに用いる国内初の抗PD-L1抗体バベンチオ点滴静注(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))、アッヴィの全てのジェノタイプのC型肝炎を適応とするマヴィレット配合錠(グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル)がある。年内の薬価収載が見込まれる。

アトーゼット配合錠LD、同HD(エゼチミブ/アトルバスタチン、MSD):「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は4年。薬効分類:218。

エゼチミブは小腸コレステロールトランスポーター阻害薬で、MSDとバイエル薬品がゼチーア錠の製品名で販売中。この薬剤は、その成分と、HMG-CoA還元酵素阻害薬のアトルバスタチンを配合した製剤で、国内初のLDL-C低下薬を2成分組み合わせた配合剤となる。MSDとバイエル薬品は同剤の共同販売契約を締結している。

レバチオ錠20mg、同懸濁用ドライシロップ900mg、同ODフィルム20mg(シルデナフィルクエン酸塩、ファイザー):「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加にかかる医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。薬効分類:219。

ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬。レバチオはこれまで成人の肺動脈性肺高血圧症(以下、PAH)に用いられてきたが、今回、小児にも使えるようになった。PDE5阻害薬として初めて小児PAHの適応を持つ薬剤。小児用量の追加を機に、ドライシロップ及びODフィルムの剤形追加も行うが、これらは成人にも使える。

レクタブル2mg注腸フォーム14回(ブデソニド、EAファーマ):「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年。薬効分類:239。

国内初の泡状の注腸製剤(=注腸フォーム製剤)。局所作用型ステロイド薬のため、ステロイドに起因する全身性の副作用の低減が期待できる。さらに泡状のため、直腸及びS状結腸に到達した薬剤が局所に留まり、投与後に薬剤が漏れにくいとの特徴もある。通常、成人には1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射して用いる。

これまで潰瘍性大腸炎の適応を持つ注腸剤は、いずれも液剤(ペンタサ注腸、プレドネマ注腸、ステロネマ注腸)で、投与後の肛門からの薬剤漏出や投与時に臥位の姿勢を強いられるなどの問題があった。

ベンリスタ点滴静注用120mg、同400mg、同皮下注200mgオートインジェクター、同皮下注200mgシリンジ(ベリムマブ(遺伝子組換え)、グラクソ・スミスクライン):「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:399。

全身性エリテマトーデス(SLE)を適応とする抗体医薬は国内初。SLE患者に過剰発現し、疾患の活動に重要な役割を果たしているとみられる可溶性Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とする。臨床上の位置づけは、ステロイドなど標準療法を行っても疾患活動性を有するSLE患者に対して、標準治療との併用投与が想定される。

ケブザラ皮下注150mgシリンジ、同皮下注200mgシリンジ、同皮下注150mgオートインジェクター、同皮下注200mgオートインジェクター(サリルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:399。

完全ヒト型抗IL-6 受容体モノクローナル抗体。IL-6 シグナル伝達経路を介して関節リウマチの炎症を阻害する。IL-6 は、関節リウマチ患者の血清中および滑液中に最も多く見られるサイトカインで、IL-6 のレベルは疾患活動性および関節破壊と相関する。IL-6を標的とする製剤としては、アクテムラ皮下注に続く2剤目となる。

1回200mgを2週間隔で皮下投与して用いるが、患者の状態により1回150mgを投与することができる。

イブランスカプセル25mg、同カプセル125mg(パルボシクリブ、ファイザー):「手術不能または再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:429。

サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6に対する阻害作用を有する低分子化合物。ファースト・イン・クラスの新薬。CDK4/6は細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こすが、同剤はCDK4/6を選択的に阻害して細胞周期の進行を停止させ、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

用法・用量は、「内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはパルボシクリブとして1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する」というもので、ホルモン療法剤と併用して用いる。このため、ホルモン療法剤フェソロデックス筋注250mg(一般名:フルベストラント)について、イブランスと併用できるようにするための承認事項の一部変更も承認されている。イブランスは閉経の有無にかかわらず使用できる。

臨床上の位置付けは、ホルモン受容体(HR)陽性かつヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性の手術不能または再発乳がんに対する治療選択肢のひとつとなる。

ダラザレックス点滴静注100mg、同400mg(ダラツムマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:429。

骨髄腫の細胞表面に過剰発現しているシグナル伝達分子CD38に結合し、腫瘍細胞死に導くことに加え、患者の免疫機能の活性化により腫瘍細胞を攻撃する新たな作用を持つとされる。レナリドミド及びデキサメタゾとの3剤併用、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンと3剤併用する。

バベンチオ点滴静注200mg(アベルマブ(遺伝子組換え)、メルクセローノ):「根治切除不能なメルケル細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:429。


国内初の抗PD-L1抗体。メルケル細胞がんは、悪性度の高い皮膚がんの一種で、国内患者数は75人と推定される希少がん。ファイザーと共同開発したもので、同がんを適応とする治療薬は国内初。最適使用推進ガイドラインの対象医薬品。

腫瘍細胞 はT細胞のような白血球から身を守るためにPD-L1を利用するが、同剤がPD-L1に結合することでこの方法が使えなくなり、抗腫瘍反応にさらされることになる。なお、バベンチオは、薬理作用としてin vitroで抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導することが確認されている。

ビザミル静注(フルテメタモル(18F)、日本メジフィジックス):「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:430。

放射性医薬品。PET検査で用い、アルツハイマー型認知症の診断的評価を補助する。フルテメタモルを医療機関で合成するための医療機器として、放射性医薬品合成設備の「FASTlab」(GEヘルスケア・ジャパン)があるが、この医療機器を使用できる設備がない医療機関でもフルテメタモルを用いたPET検査を実施できるようにするため、同剤が開発された。

シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU、同5000JAU(一般名なし、鳥居薬品):「スギ花粉症(減感作療法)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:449。

同社には舌下液の製剤があるが、冷蔵保存が必要。今回了承された舌下錠は、1回あたりの投与成分量が多く、室温保存が可能。12歳以上の患者を対象にしていた舌下液の製剤と比べ、より低年齢での投与もできる。

1日1回1錠。舌下に1分間保持したあと、飲み込む。その後5分間はうがいや飲食を控える。舌下液の製剤と同様に3年程度の継続した投与が必要だとしている。

ルパフィン錠10mg(ルパタジンフマル酸塩、帝國製薬):「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:449。

ヒスタミンH1受容体拮抗薬。12歳以上の小児及び成人に対して1回10mgを1日1回経口投与で用いる。効果不十分な場合は1回20mgを1日1回経口投与できる。類薬にアレロックなどがあり、ルパフィンは治療選択肢のひとつとなる。

マヴィレット配合錠(グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル):「C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分医薬品、新医療用配合剤。再審査期間8年。薬効分類:625。

全てのジェノタイプを対象とする。グレカプレビルはNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬、ピブレンタスビルはNS5A阻害薬で、C型肝炎ウイルスの複製を阻害し、ウイルスの増殖を抑える。1回3錠を1日1回、食後に投与。投与期間は、ジェノタイプ1と2のC型慢性肝炎は8週間。ジェノタイプ1と2のC型代償性肝硬変、ジェノタイプ1と2以外のC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変は12週間。

エイフスチラ静注用250、同500、同1000、同1500、同2000、同2500、同3000(ロノクトコグアルファ(遺伝子組換え)、CSLベーリング):「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:634。

血漿中の血液凝固第8因子を補充し、機能不全に陥っている血液凝固カスケードを進行させ、止血を誘導する。通常、1回体重当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。定期的に投与する場合は、通常、体重1kg当たり20~50国際単位を週2回または3回投与して用いる。

ジーンプラバ点滴静注625mg(ベズロトクスマブ(遺伝子組換え)、MSD):「クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制」を効能・効果とする新有効性含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:639。

クロストリジウム・ディフィシルは抗菌薬投与後の下痢症の原因菌として挙げられる主な菌種で、致死的な重症に至る例もある。一度再発すると、その後の再発率は大きく増加するとされ、特に重症な基礎疾患や免疫力が低下している患者で再発しやすく、そのような再発リスクの高い患者が投与対象になると想定される。同剤は、毒素のトキシンBのヒト細胞への結合を阻害することでトキシン活性を中和し、再発を抑制するとされる。

アラグリオ顆粒剤分包1.5g(アミノレブリン酸塩酸塩、SBIファーマ):「筋層非浸潤性膀胱がんの経尿道的膀胱腫瘍切除時における腫瘍組織の可視化」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:729。

手術開始前に経口投与し、腫瘍組織と正常組織と色で識別し、腫瘍のみを切除できるようにするもの。中外製薬は今年3月、同剤の国内独占販売権を取得したと発表した。

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