ヤンセン 前立腺がん治療薬ザイティガが優先審査指定に ホルモン療法未治療の適応追加で
公開日時 2017/10/11 03:50
ヤンセンファーマは10月10日、5月に「ホルモン療法未治療転移性前立腺がん」を効能・効果に追加する承認申請を行った前立腺がん治療薬ザイティガ錠(一般名:アビラテロン酢酸エステル)が、厚労省から優先審査品目に指定されたと発表した。適応疾患の重篤性と医療上の有用性から優先審査を行う必要性があると判断された。
現行の効能・効果は「去勢抵抗性前立腺がん」で、ホルモン療法を行った後に投与が可能。追加申請している適応症は、ホルモン療法未治療でも投与を可能にするもので、現行よりより早期に投与ができるようになる。ハイリスクの予後因子を有し、治療選択肢が限られる転移性前立腺がん患者の選択肢になりうる。
転移性前立腺癌の治療においては、アンドロゲン除去療法(ADT)と抗アンドロゲン剤の併用療法である複合アンドロゲン遮断(CAB)療法が広く用いられているという。同社によると、今年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2017)では、ADT+アビラテロンおよび低用量プレドニゾンの併用について検証したフェーズ3(LATITUDE試験)の結果が発表され、全生存期間(OS)を有意に改善し、また画像上の無増悪生存期間(rPFS)も有意に延長することが示された。OSの中央値は、アビラテロン、プレドニゾン、ADTとの併用が、プラセボ、ADTと比較し、プラセボとADT 群が34.7か月であったのに対し、アビラテロン、プレドニゾン、ADT群では50%以上の人が生存し中央値未到達という結果だった。rPFSの中央値は、プラセボとADT群の14.8か月に対して、アビラテロン、プレドニゾン、ADT群では33.0か月だった。