厚労省 10連休中の医薬品供給 医療機関と卸で情報共有・連携を
公開日時 2019/01/17 03:50
厚生労働省医政局、医薬・生活衛生局、社会・援護局障害保健福祉部は1月15日、新天皇の即位に伴う10連休中の医療提供体制について、各都道府県宛に通知を発出した。医薬品流通が課題となるなかで、「医療機関等と卸売販売業者等において適切に情報共有・連携を図るよう、関係者に周知すること」が盛り込まれた。同省は、2月中旬を目途に各都道府県の医療提供体制を把握する考え。
同省は、都道府県医師会・薬剤師会・歯科医師会で協議会を開催するなどして、地域の実状に合致した、10連休中の三次救急や精神科救急、在宅当番医制度や休日夜間急患センターなどの初期救急体制の検討を求めた。二次医療圏での救急提供体制について、年末年始など長期休暇時の対応を参考にした体制を構築してもらいたい考え。休日・夜間対応などの病院群輪番制度や在宅当番医制度、当番薬局制度等に参画していない医療機関については、「参画を促すなど適切に対応すること」も求める。
都道府県は2月中旬を目途に、医療提供体制を把握し、同省に報告する。同省は2月中旬時点で十分な対応が固まっていない自治体に対しては、「協議を行う等速やかに決定するよう」対応を促す考え。
都道府県には把握した医療情報を医療関係者、卸売業者、地域住民に都道府県・市町村のホームページや広報誌で十分な周知することも求めた。特に、対応が必要な、医療関係者や卸売業者には「可能な限り早期に」情報共有を図る。
◎在宅患者への対応も明確化を
このほか各医療機関等に対しては、「病床が満床になり患者の引受先が必要になる等の事態が発生する場合に備えた対応方針についてあらかじめ定める」ことや、「行政機関や地域の医療関係者等の間で連絡を取ることができる体制を確保すること」を求めた。
このうち在宅医療を実施する医療機関の休診時の対応については、「往診等の対応ができる他の医療機関を確保できるよう」調整することを促した。特に人工呼吸器や酸素救急装置等を使用する在宅患者には、代わりの医療機関の連絡先に加え、機器の取り扱い事業者の連絡先もあわせて周知する必要があると指摘した。
通知は、各都道府県のほか、日本医師会や病院団体、日本医薬品卸売業連合会(卸連)宛てにも発出した。卸連は、通知を速やかに各卸に周知する考え。各地域の実状を把握したうえで、安定供給に向けて卸各社が検討することが必要との考えも示した。