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薬食審・第二部会 新薬3製品を審議、承認了承 前立腺がん薬アーリーダ錠など

公開日時 2019/01/31 03:51
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は1月30日、新薬として3製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。このなかには、ヤンセンファーマが承認申請したアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害作用を持つ前立腺がん治療薬アーリーダ錠などがある。
 
【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
アーリーダ錠60 mg(アパルタミド、ヤンセンファーマ):「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
アパルタミドは、▽アンドロゲンがアンドロゲン受容体に結合するのを阻害する▽アンドロゲン受容体ががん細胞核内に移行するのを止める▽アンドロゲン受容体ががん細胞のDNAに結合するのを阻害する――との3つの方法でがん細胞の増殖を阻害する。経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬で、アステラス製薬のイクスタンジ(一般名:エンザルタミド)と同じ作用機序だが、イクスタンジは遠隔転移の有無にかかわらず使えるが、アーリーダは非転移性の患者が対象となる。
 
対象患者について、添付文書には、PSA(前立腺特異抗原)倍加時間が10か月以下の遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん患者と明記する予定。海外では2018年10月時点で米国など5か国で承認済。
 
ファムビル錠250 mg(ファムシクロビル、旭化成ファーマ):効能・効果の単純疱疹に、再発型の用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間4年。
 
口唇ヘルペスなど再発を繰り返すのが特徴の単純疱疹に対し、1回 につき、現在の承認用量の4倍にあたる1000mg を1日2回投与を追加する。承認されれば、再発に向け、あらかじめ処方しておき、初期症状発現時に患者の判断で服用できるようにした初めての医療用薬となる。海外では、同様の用法・用量を持つ薬剤は2018年11月時点で欧米を含む44の国・地域で承認済。
 
再発型に対する用法・用量は旭化成ファーマとマルホが共同で開発した。単純疱疹については2013年2月に適応追加承認され、用法・用量は1回250mgを1日3回。
 
ヒュミラ皮下注40 mgシリンジ0.4 mL、同80 mgシリンジ0.8 mL、同40 mgペン0.4 mL、同80 mgペン0.8 mL(アダリムマブ(遺伝子組換え)、アッヴィ):「化膿性汗腺炎」を効能追加に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間10年。
 
承認されれば、日本で初めて化膿性汗腺炎の適応を持つ治療薬となる。アダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間以降は40㎎を毎週1回、皮下注射する。
 
化膿性汗腺炎は疼痛を伴う慢性的な炎症性皮膚疾患で、思春期以降に多く発症するという。皮膚の炎症症状が、わきの下や鼠径部、乳房、臀部などに頻発し、患者にとって疼痛や就業困難、QOLの低下などが引き起こされるほか、活動期の化膿性汗腺炎には特有の臭いがあり、患者に対する偏見につながることもあるという。これまでは、対症療法として抗菌薬による薬物療法、重症例には切開による排膿又は病変部の植皮術といった外科的治療が施行されており、治療の選択肢は限定的だった。日本での患者は5000人前後とみられる。海外では2018年11月現在、欧米など89の国・地域で承認済。
 
【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
 
ジカディアカプセル150mg(セリチニブ、ノバルティスファーマ):「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞がん」を効能・効果とする医薬品で、今回用法及び用量を「450mgの1日1回食後投与」に変更する新用量医薬品。再審
査期間は残余(2026年3月27日まで)
 
現在の用法・用量は、750mgの1日1回空腹時投与。同剤服用患者に出現する主な副作用には悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状がある。その多くは制吐剤や止瀉薬といった対症療法で管理可能だが、治療を継続する上での課題のひとつになっていた。今回、用量を低め、食後投与にすることで消化器症状の発現を抑えることを期待する。海外では食後投与について2018年10月時点で51の国・地域で承認済。
 
エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」、同25mgシリンジ0.5mL「TY」、同50mgシリンジ1.0mL「TY」、同50mgペン1.0mL「TY」(エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]、YLバイオロジクス)
▽エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「日医工」、同25mgシリンジ0.5mL「日医工」、同50mgシリンジ1.0mL「日医工」、同50mgペン1.0mL「日医工」(同、共和薬品工業)
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性突発性関節炎」を効能・効果とするバイオ後続品。ただし、50mg製剤の効能・効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」のみ。再審査期間なし。
 
エタネルセプトBSの先行品は、ファイザーが製造販売するエンブレル。YLバイオロジクスは、陽進堂とインドのルピンとの合弁会社。同社が申請した製品は、ルピンが製造する原薬をもとに、日本国内で製剤化する。また、共和薬品が申請した製品は、親会社であるインドのルピン社が開発し、共和薬品が承認申請した。18年6月に日医工が導入する契約を締結し、承認後は、日医工が自社の屋号を付して日本で独占的に販売する予定になっている。エンブレルのバイオ後続品は、承認されれば、持田製薬の製品に続くものとなる。
 
テモダールカプセル20mg、同カプセル100mg、同点滴静注用100mg(テモゾロミド、MSD)
テモゾロミド錠20mg「NK」、同錠100mg「NK」(同、日本化薬)
:「再発または難治性のユーイング肉腫」を効能・効果に追加する新効能、新用量医薬品。再審査期間なし。
 
追加する適応について厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、18年8月の薬食審・医薬品第二部会で公知申請することが了承されていた。同省が後発品についても同様の申請の検討を促していることを踏まえ、日本化薬が公知申請していた。両剤は現在、脳腫瘍の一種の悪性神経膠腫の治療薬として承認されている。
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