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中医協総会 フォーミュラリーの有用性に各側が理解 リスト作成の報酬評価は慎重 医師・薬剤師の職能発揮で要件設定も

公開日時 2019/06/27 03:52
中医協総会は6月26日、フォーミュラリーの診療報酬上の評価について議論した。ポリファーマシーや残薬が課題となるなかで、診療・支払各側は、「採用薬については医療機関レベルでも地域レベルでも検討の場があることは良いことだ」(診療側・松本吉郎委員・日本医師会常任理事)、「フォーミュラリーを推進すること、すなわち後発品を推進するということにつながる」(支払側・幸野庄司委員・健康保険組合連合会理事)など、有用性を認める声で一致した。一方で、フォーミュラリーの作成を診療報酬上で評価することについては、診療・支払各側とも慎重な姿勢を示した。在宅での高齢患者が増加し、ポリファーマシーや残薬などの課題が表面化するなかで、医薬品の管理は、医師・薬剤師それぞれの職能として求められるところ。今後の焦点は、職能を発揮するうえでの要件設定の議論に移ることとなりそうだ。

この日の中医協総会に厚労省が提出した資料には、浜松医科大学、聖マリアンナ医科大学の院内フォーミュラリー、地域医療連携推進法人・日本海ヘルスケアネット(山形県酒田市)の運用する地域フォーミュラリーが例示された。このうち、浜松医科大学の運用する院内フォーミュラリーでは、腎機能値や重症・非重症で推奨薬が変わるアルゴリズムを作成。薬剤費抑制などの経済性のみならず、「質と安全性の高い薬物治療を効率的に実施」する上で必要不可欠なものに位置付けている。

フォーミュラリーを国内で初めて地域に拡大した日本海ヘルスケアネットの運用する地域フォーミュラリーでも、漫然投薬や重複投薬、薬剤の成分重複、併用禁忌・注意の回避などポリファーマシーの削減をメリットにあげている。同地域の中核医療機関である日本海総合病院では、地域フォーミュラリー導入後にPPIで最も処方の多かったネキシウムが急減し、第一選択薬として推奨したランソプラゾールが急伸するなど、効果も見られている。

◎「病院薬剤師が医薬品情報を整理して採用会議に臨んでいる」-松本委員


この日の中医協総会では、多くの委員が地域フォーミュラリーの効果について認める方向で一致した。診療側の松本委員は、「以前に比べると病院薬剤師が医薬品情報を整理して採用会議に臨んでいる場合も増えていることは非常に好ましい」との見方を表明。一方で、「フォーミュラリーについて診療報酬で対応することはないという理解でいいか」と厚労省側に見解を質した。厚労省保険局医療課の森光敬子医療課長は、「単なる病院の経済性というだけの話だけではなく、質や安全性についての効果があるということなので、それを含めて議論していただきたい」と応じた。このほか、診療側の島弘志委員(日本病院会副会長)も、「患者ファーストで何がいいのか無駄のない投薬が副次的にも収支の改善に値するということなので、考え方を普及啓発することが非常に重要。診療報酬上で評価するのは違うかなと思う」と述べた。

支払側の幸野委員は、「地域フォーミュラリー、院内フォーミュラリーも診療報酬で誘導するのは違う」との見解を表明した。

◎「薬剤師や保険者がチェックする体制が必要」-幸野委員

フォーミュラリーの実施主体についても議論のあるところ。日本海ヘルスケアネットが地域医師会・薬剤師会、地域基幹病院などがタッグを組んで作成を進めるが、協会けんぽ静岡支部などで地域フォーミュラリーの導入に向けた動きもある。保険者はレセプトデータなどを活用することで、フォーミュラリーの実効性を確認することもできる。幸野委員は、「まずは医療機関が説明し、薬剤師や保険者がチェックするという体制を作っていくことが必要ではないか」との見解を表明。「保険者が参加することで地域フォーミュラリーを全国展開する仕組みをやっていくことが一番よいのではないか」とも述べた。また、この日の議論では日本調剤が標準フォーミュラリー策定に取り組んでいることが話題となった。診療側の松本委員は、「一つ懸念があるのは大手調剤等が主導して、偏ったフォーミュラリーにならないようにということだけは念を押しておきたい」と釘をさす一幕があった。
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