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GSK COPDの診断率向上 ePRO用いた増悪予防で臨床研究 20年に結果

公開日時 2019/10/02 03:50
グラクソ・スミスクライン(GSK)は、産官学の連携やICTの活用を通じて慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期診断、最適治療と治療継続、増悪予防を実現に向けて、少なくとも2つの臨床研究を行っている。2020年を目途に研究結果をまとめる。このうち那覇市医師会との共同研究では、市民を対象に5問で構成する質問票でCOPDのスクリーニングができるか検証しており、中間解析では手応えを感じているという。もう一つの研究では、COPD患者にスマホなどでアウトカム報告を求める「ePRO」(Patient Reported Outcome)プラットフォームが、医師と患者とのコミュニケーションツールとして効果的かどうかなどを検証する。9月に開始し、1年かけて研究する。

■5問の簡便な質問票 対策型検診に導入も

沖縄県の那覇市医師会との共同研究「OCEAN Study」は、COPDの診断率向上を目指したもの。医師会の健診センターで定期健診を受ける40歳以上の市民に、COPDスクリーニングの質問票を配布し、記入してもらう。健診で呼吸機能検査も受けてもらい、質問票の有用性を評価する。

質問票は、「COPD-Q」と「CAPTURE」の2つあり、いずれも5問で構成する。「COPD-Q」は年齢、同年代と比べて息切れしやすいかどうか、喫煙状況――などを聞く。「CAPTURE」は、粉塵に包まれた場所で生活・就業していたかどうか、呼吸が季節・天気・大気の質で変わるかどうか――などを聞く。

目標の2500例の組み入れは完了し、現在解析中。県医師会及び那覇市医師会で理事を務める玉城研太朗氏(那覇西クリニック診療部長)は9月30日、都内で開かれたGSK主催のメディアセミナーで中間解析結果を報告。1532例のデータを解析したところ、呼吸機能検査では、気流閉塞が認められたCOPD疑いの人が約3%、気流閉塞は認められないものの、%FEV1が80%未満のややCOPDになりそうな人(PRISm)が約18%いた。質問票との関連では、いずれの割合も、CAPTURE質問票高得点群、COPD-Q質問票高得点群で高い傾向にあったという。

玉城氏は「最終的なデータ解析ではないが、(COPD疑い/PRISmと質問票高得点群で)正の相関が示されている」とし、「簡便な質問票ではあるが、非常に効果的であろうということが中間解析でわかってきた」と述べた。20年春にも最終解析をまとめ、国際学会や論文で発表する予定。玉城氏は、「質問票の意義が確立されれば、対策型検診に導入できるのではないか」とも語り、簡便かつ廉価な質問票によるCOPD早期発見の実現に意欲をみせた。

■COPDのePROプラットフォーム 高齢患者もデータ入力できるか

COPDのePROプラットフォームを用いた臨床研究は、オンライン診療システム「YaDoc」などを手掛けるインテグリティ・ヘルスケア社と9月から共同で行っている。ePROプラットフォームは、患者が自宅で症状を記録し、その記録を電子データとして医師に報告できるプラットフォームのこと。

COPDは症状の増悪や合併症のリスク低減に向け、医師と患者とのコミュニケーションを基盤とした疾患マネジメントが推奨されている。このためGSKは、医師が患者の症状とその経時的な変化を正確に把握し、増悪予防のための適切な治療が提供されるよう、COPDの症状把握を目的としたチェックシート「COPD Assessment Test(CAT)」を、インテグリティ社のYaDocに搭載し、ePROプラットフォームとしての活用用途を拡大させた。

共同研究ではCOPD患者100例を組み入れる。そして、オンライン診療を含む日常診療で、▽高齢患者であってもデータを適切かつ継続的に入力できるか▽医師と患者が同プラットフォームを、臨床現場におけるコミュニケーションツールといて効果的であると判断するか▽症状のモニタリングが増悪の予見と薬剤変更などの適切な治療介入に結びついたか――を評価する。

インテグリティ社会長で、東京と石巻で在宅医療クリニックを展開する医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏はセミナーで、「慢性疾患の薬は医師の管理下に基本的にはおかれていない。患者さんが使ってくれていることが前提になる」とした上で、「患者さんからの情報と世の中にある知識を踏まえて最適な治療を患者さんと一緒に作ることを、GSKと一緒に行っている」と述べた。

GSKの張家銘・ガバメントアフェアーズ&マーケットアクセス本部長はセミナーで、「呼吸器領域の製品に自信を持っており、先生方や患者さん、社会に対して価値を提供できると自負を持っている。早期診断、適正治療がされるほど、ビジネスにも貢献できる」と述べるとともに、リアルワールドデータ(RWD)が蓄積されるほど、「我々は疾患や製品に対するより正しい理解を深められ、将来の研究開発にもつなげられる」とビジネスとの関係を話した。社員の業務効率の改善につながることも期待していると語った。

COPD患者は潜在患者数が約530万人といわれるなか、治療患者数は約26万人、4.9%にとどまる。COPD患者の約8割が、受診時に医師にうまく症状を伝えられていないとのデータもある。


GSKは、「患者さんが適切な診断・治療にアクセスできる環境整備に貢献し、医薬品を開発し患者さんに届ける以外の新たな価値を社会に提供することを目的として、データ・ICTに着目した取り組みを行っている」としている。
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