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米医薬業界 Pelosi薬価法案に反対を表明 薬剤引下げターゲット

公開日時 2019/12/17 04:50
米国医薬業界では、米連邦議会Nancy Pelosi下院議長(民主党、カリフォルニア州選出)が提案した薬価抑制法案「The Lower Drug Cost Now Act, H.R.3」 (今、薬剤費を下げる法律)をめぐり、猛反発が起きている。

今年10月に明らかになったPelosi案の骨子は、①高価な薬剤250剤(年間)およびインスリン製剤について、HHS(保健福祉省)長官にメディケア(公的高齢者保険)における薬剤の価格交渉権を持たせる。250剤は、少なくとも2つ以上のジェネリック医薬品あるいはバイオシミラーが販売されていない薬剤を含むものとする。製薬企業が同交渉を拒絶したら、厳しい罰則を科する。②外国薬価を参照する。米国の薬価と海外諸国との薬価に著しい差が生じた場合には、薬価下げを考慮し、当該企業が応じない場合には罰金を科する‐というもの。

PhRMA(米国研究製薬工業協会)はすでに、Pelosi案が明らかになった時点で会長による反対声明を発表している。これに加え、12月5日には、世論調査の結果に基づき、同案に多数の国民が反対していると発表した。

調査は、コンサルタント業Morning Consultが2019年11月5日から8日に実施した全米1988名の有権者を対象としたもの。Pelosi案に賛同は28%、反対は49%となった。支持政党別では共和党支持者ではPelosi案賛同は21%、民主党支持者でも35%に留まった。

同案が実施された場合、76%は、新薬の開発が今後10年で8剤から15剤失われるとの議会予算局(CBO)の予測通りになることへの懸念を示した。アルツハイマー病、がん、神経変性疾患などの治療薬の開発が遅延することへの懸念は62%にのぼった。さらに、製造部門やトラックドライバーから科学者に至るまで、総計100万人近い雇用(間接雇用含む)が失われることに対して62%が反対を表明した。

米BIO(バイオテクノロジーイノベーション協会)は12月5日、Nancy Pelosi議長と共和党下院のKevin McCarthy院内総務に対して、同案は、米国のラボで発見される科学からの恩恵を蒙る患者と家族の夢を断ち切るもので、断固反対するとの文書を提出したと発表した。

BIOに所属する研究者や科学者は、医学的ブレークスルーを通じ、患者や家族に希望を与えることを誇りに思っているとしてうえで、「残念ながら、H.R.3は、ヘルスケアにおけるこれらの進歩への患者アクセスを制限することになり、医薬品開発とデリバリーを行っている米国市場における、前例のない、かつ、強引な政府の介入である」と指摘、反対を表明した。



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