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大日本住友 AI創薬による候補化合物 国内でP1開始 探索研究は12か月未満

公開日時 2020/01/31 04:50
大日本住友製薬と英エクセンシア社は1月30日、人工知能(AI)を活用して創製された新薬候補化合物「DSP-1181」(開発コード)のフェーズ1を国内で開始したと発表した。強迫性障害治療薬として開発する。業界平均で4年半かかるとされる探索研究は、大日本住友の創薬経験・知識とエクセンシアのAI創薬プラットフォームの相乗効果により、12か月未満で完了した。

エクセンシアはAI創薬を行うグローバル企業。独自のAI技術に熟練の創薬研究者を融合した「Centaur Chemistプラットフォーム」は、創薬研究の大幅な生産性向上に加え、薬効の改善を可能にする新しいアプローチという。AIシステムによって新規化合物が自動的に設計され、化学合成されるべきものが優先づけられることで、臨床試験に向けて所望の特性を持つ開発候補品へと迅速に最適化される。

DSP-1181は長時間にわたりセロトニン5-HT1A受容体に作用するアゴニスト。大日本住友のモノアミンGPCR創薬における創薬経験及び知識と、エクセンシアのCentaur Chemistとの融合による共同研究を通じて見出された。モノアミンCPCR創薬は、セロトニン・ドパミン・ノルエピネフリンといったモノアミン神経伝達物質を内因性リガンドとするGタンパク共役受容体(GPCR)をターゲットとした創薬のこと。

大日本住友の木村徹・シニアリサーチディレクターは、「共同研究で非常に短期間に新薬候補化合物を生み出した成果にとても満足している」とし、「エクセンシアの優れたAI技術と当社のモノアミンGPCR創薬に関する深い経験値が相乗的に働いた大きな成果といえる」とコメント。臨床試験の成功に努めるとした。

エクセンシアのAndrew Hopkins・CEOは、「AIの活用によって創製された本剤が臨床試験に入ることは、創薬における画期的な出来事」とし、「当社のAI創薬プラットフォーム『Centaur Chemist』が本剤創出に貢献したことを誇りに思うとともに、本剤が強迫性障害の治療に役立つことを期待している」とコメントした。

【訂正】下線部を訂正しました(1月31日11時20分)。
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