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薬食審 2月28日に第一部会 11品目審議 非定型抗精神病薬ラツーダ、核酸医薬ビルテプソなど

公開日時 2020/02/18 04:51
厚生労働省は2月28日に、新薬の承認の可否などを審議する薬食審・医薬品第一部会を開催する。当日は11品目を審議する予定。この中には、大日本住友製薬のブロックバスター製品である非定型抗精神病薬ラツーダ錠(一般名:ルラシドン塩酸塩)や、アストラゼネカが「ブレイクスルーの治療薬になり得る」と期待を寄せる高カリウム血症治療薬ロケルマ懸濁用散分包(同ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物)がある。

また、先駆け審査など3つの指定を受けている日本新薬のデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象に開発した核酸医薬品ビルテプソ点滴静注(同ビルトラルセン)も審議される。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ステラーラ点滴静注130mg、同皮下注45mgシリンジ(ウステキヌマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「潰瘍性大腸炎」を対象疾患とする新効能医薬品。

ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤。炎症性腸疾患に深くかかわるIL(インターロイキン)-12およびIL-23を阻害することで消化管の炎症を抑制する。

ヤンセンは「既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎」の効能・効果で申請している。今回の効能追加申請のうち、点滴静注製剤は寛解導入療法に、皮下注製剤は維持療法に使えるようにするもの。なお、現在はクローン病を適応としている。

ロケルマ懸濁用分散包5g、同10g(ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物、アストラゼネカ):「高カリウム血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

カリウム排出剤。経口懸濁用の粉末製剤で、室温保存できる。高カリウム血症の既存薬では飲みにくさ、服薬量の多さが課題となっているが、同剤は懸濁顆粒剤で持ち運びがしやすく、服薬量も少なくなるとされる。1日3回服用となる模様。AZはこれまでに、「ブレイクスルーの治療薬になる」と紹介しており、期待が高い。

ルムジェブ注カート、同注ミリオペン、同注ミリオペンHD、同注100単位/mL(インスリンリスプロ(遺伝子組換え)):「糖尿病」を対象疾患とする新剤形医薬品。

既承認のヒューマログと主成分は同じだが、添加剤が異なる。ヒューマログは食直前に投与するが、ルムジェブは食事のタイミングにかかわらず投与できる。

ソリクア配合注ソロスター(インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド、サノフィ):「糖尿病」を対象疾患とする新医療用配合剤。

サノフィが製造販売するインスリン製剤ランタスと、GLP-1受容体作動薬リキスミアの配合薬。インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合薬は、ノボ ノルディスクファーマが19年9月に発売したゾルトファイ配合注フレックスタッチ(インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え))がある。

メラトベル顆粒小児用0.2%(メラトニン、ノーベルファーマ):「入眠困難の改善」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

ラツーダ錠20mg、同錠40mg、同錠60mg、同錠80mg(ルラシドン塩酸塩、大日本住友製薬):「うつ症状」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

非定型抗精神病薬で、ドパミンD2、セロトニン5-HT2A、セロトニン5-HT7受容体に親和性を示してアンタゴニストとして作用し、セロトニン5-HT1A受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。ヒスタミンH1及びムスカリンM1受容体にはほとんど親和性を示さないとされる。

大日本住友は、統合失調症と双極性障害のうつ症状の改善を予定適応に申請した。自社創製品で、同社グループの中核製品であり、日本市場における次期主力品候補。米国では製品名ラツーダとして10年に承認された。18年度の北米売上は1845億円だった。

ビルテプソ点滴静注250mg(ビルトラルセン、日本新薬):「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」:を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。先駆け審査指定制度、条件付き早期承認、希少疾病用医薬品の3つの指定を受けている。

日本新薬と国立精神・神経医療研究センターが共同で見出した、モルフォリノ化合物で合成されたアンチセンス核酸と呼ばれる核酸医薬品。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD) 患者の筋肉中のジストロフィン遺伝子のエクソン 53 を迂回して、機能のあるジストロフィンタンパク質を産生することによって、疾患の進行抑制と病態改善を期待する。

DMDは、筋肉細胞の骨組みを支えるジストロフィンタンパク質の遺伝子変異が原因で、正常なジストロフィンタンパク質が産生されないことにより筋力が低下する遺伝性筋疾患。男児に発症する頻度が高い。DMD の進行を遅らせる治療法としてはステロイド剤以外に確立されておらず、新たな治療法の開発が期待されている。

オキシコンチンTR錠5mg、同TR錠10mg、同TR錠20mg、同TR錠40mg(オキシコドン塩酸塩水和物、シオノギファーマ):「慢性疼痛」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

医療用麻薬。現在はがん性疼痛を適応とするが、今回は慢性疼痛の適応を追加する。TR錠は乱用防止を目的にした製剤。海外でハンマーで錠剤を砕き、それを水で溶かして注射して乱用するケースがあることから、容易に砕けない硬さを持ち、水を含むとゲル化するよう設計してある。

アイラミド配合懸濁性点眼液(ブリモニジン酒石酸塩/ブリンゾラミド、千寿製薬):「緑内障、高眼圧症」を対象疾患とする新医療用配合剤。

アドレナリンα2受容体作動薬と炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)による配合点眼薬。同剤は既承認の成分を組み合わせたもの。

アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、同注射用キット40mg/mL(アフリベルセプト(遺伝子組換え)、バイエル薬品):「血管新生緑内障」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

眼科用VEGF阻害薬。同剤は加齢黄斑変性などに使われており、今回、血管新生緑内障の適応を追加する。血管新生緑内障は、新生血管が虹彩及び前房隅角に形成され、房水の流出が阻害されることで眼圧が上昇する続発性の緑内障のこと。主に増殖糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症などの網膜虚血をきたす。病状が進むと失明につながる可能性が高い。

キャブピリン配合錠(アスピリン/ボノプラザンフマル酸塩、武田薬品):「血栓・塞栓形成の抑制」を対象疾患とする新医療用配合剤。

アスピリン製剤とPPIタケキャブとの配合薬。既承認の低用量アスピリンとPPIタケプロンを配合したタケルダ配合薬と同様のコンセプトの製剤となる。

アスピリンの長期投与により胃潰瘍や十二指腸潰瘍が引き起こされることがあり、アスピリンの継続投与の際は潰瘍発症を抑制することが重要となる。特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往患者に対してPPIを併用投与することが推奨されており、配合薬にすることでアドヒアランスの向上につなげる。
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