アステラス製薬は２月19日、新型コロナウイルス感染症の現状を考慮して、国内全社員に対して、これまで以上の体調管理の徹底と、社員自身もしくは同居家族に感冒に伴う症状がみられた場合は出社禁止とすることなどを指示したと発表した。ＭＲによる医療機関などへの訪問活動については、「十分な体調管理を実施することに加え、訪問先の意向を確認して訪問する」よう指示したとしている。

社内会議や研修はインターネット電話／テレビ会議などを利用して「対面会議を避けること」とした。社内外のその他の会合を含め、感染リスクを考慮して要否や延期を検討することも指示した。同社広報部は本誌取材に、「その他の会合」に医療関係者向けの勉強会や講演会が含まれるかどうかについて、「具体的なところまでは開示していない」とコメントした。

■朝晩の体温測定、手洗い・うがい、マスク着用を

国内全社員に備蓄していたマスクを配布し、朝晩の体温測定、手洗い・うがいの徹底、マスクの着用などによる体調管理の徹底を求めた。東京本社の社員と、茨城県のつくば研究センターで公共交通機関による通勤者については、同日から可能な限りの在宅勤務を開始。出勤する場合は混雑時間帯を避けるよう呼びかけた。

このほか、中国湖北省への出張は禁止。その他の中国国内や欧米アジア各国への出張は不急の海外渡航は避け、できるだけインターネット電話／テレビ会議などで対応するよう指示した。中国国内の社員に対してはマスクや消毒液を配布して体調管理を徹底するだけでなく、各地方政府からのガイダンスなどを考慮して在宅勤務などの対応を指示した。中国における製造拠点の瀋陽工場では、「厳格な衛生管理のもと、製品の中国国内への安定供給体制を維持」しているという。

同社では「グローバルクライシスチーム」を組織し、同社として取るべき対応を検討・指示している。同チームは櫻井文昭・経営管理・コンプライアンス担当役員を長とし、各部門の代表者で構成している。