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新薬9成分を薬価収載へ ピーク売上高100億円超が4成分 ノクサフィル錠が費用対効果対象に

公開日時 2020/04/09 04:51
厚生労働省の中医協総会は4月8日、新薬9成分14品目を薬価収載することを了承した。同省は4月22日に収載する予定。ピーク時の市場規模予測が100億円超となるのは、不眠症治療薬のデエビゴ錠(エーザイ)や関節リウマチ治療薬のJAK阻害薬リンヴォック錠(アッヴィ)など、4成分だった。真菌症治療薬のノクサフィル錠(MSD)は、原価計算方式で算定され、開示度50%未満、ピーク時売上高100億円以上の新規薬価収載品となったため、費用対効果評価の対象品目(H1)となった。このほか、アトピー性皮膚炎に用いる初のJAK阻害薬コレクチム軟膏(日本たばこ産業)も収載される。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)
フィコンパ細粒1%(ペランパネル水和物、エーザイ)
薬効分類:113(抗てんかん剤)
効能・効果:てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
薬価:1%1g 1,068.90円(1日薬価:855.10円)
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数2.2万人、販売金額24億円
加算:小児加算(A=5%)、新薬創出等加算
小児加算(A=5%):理由「小児を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験が実施されており、小児に係る用法・用量が明示的に含まれていること等から、加算の要件に該当する。 加算率については、小児適応を有する既収載の類薬が多数あることから、 5%が妥当であると判断した」
新薬創出等加算:理由「新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加」

AMPA型グルタミン酸受容体に対する非競合的な拮抗薬。てんかん患者の部分発作に対して併用療法で用いられてきたが、今回、単剤療法でも使用できるようになった。てんかん部分発作の単剤療法、併用療法とも今回、4歳以上の小児にも使えるようにする。小児適応の追加に伴い、細粒剤を追加する。なお、細粒剤と錠剤で適応は同じ。

デエビゴ錠2.5mg、同5mg、同10mg(レンボレキサント、エーザイ)
薬効分類:119(その他の中枢神経系用薬)
効能・効果:不眠症
薬価:2.5mg1錠 57.30円、5mg1錠 90.80円、10mg1錠 136.20円(1日薬価:90.80円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数90万人、販売金額178億円
加算なし

オレキシン受容体拮抗薬。覚醒や睡眠に関与するオレキシン神経伝達に作用し、伝達を阻害することで睡眠導入や睡眠維持を図ると考えられている。1日1回就寝直前に経口投与して用いる。同じクラスの薬剤としてMSDのベルソムラ(スボレキサント)がある。

ユリス錠0.5mg、同1mg 、同2mg(ドチヌラド、富士薬品)
薬効分類:394(痛風治療剤(内用薬))
効能・効果:痛風、高尿酸血症
薬価:0.5mg1錠 30.00円、1mg1錠 54.80円、2mg1錠100.20円(1日薬価:100.20円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数22万人、販売金額41億円
加算なし

尿酸排泄促進薬で、尿酸再吸収の抑制による血中尿酸低下作用を持つ。尿酸排泄促進薬では一般的に、肝障害や薬物相互作用への懸念が知られているが、同剤はこのようなアンメットメディカルニーズを意識して開発された。持田製薬と共同販促する。

リンヴォック錠7.5mg、同15mg(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ)
薬効分類:399(他に分類されない代謝性医薬品(内用薬))
効能・効果:既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
薬価:7.5mg1錠 2,550.90円、15mg1錠 4,972.80円(1日薬価:4,972.80円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.3万人、販売金額283億円
加算なし

選択的JAK1阻害薬。中等度から重度の関節リウマチ患者に対して、従来型合成DMARDとの併用、非併用に関わらず使用できるよう開発された。関節リウマチに用いるJAK阻害薬はゼルヤンツ(トファシチニブ)、オルミエント(バリシチニブ)、スマイラフ(ペフィシチニブ)――の3剤が上市されている。

ニュベクオ錠300mg(ダロルタミド、バイエル薬品)
薬効分類:429(その他の腫瘍用薬(内用薬))
効能・効果:遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
薬価:300mg1錠 2,311.00円 (1日薬価 9,244.00円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.4千人、販売金額182億円
加算なし

非ステロイド性のアンドロゲン受容体阻害薬。類薬にはアステラス製薬のイクスタンジ(エンザルタミド)やヤンセンファーマのアーリーダ錠(アパルタミド)などがある。アーリーダの効能・効果は同じだが、イクスタンジの効能・効果は「去勢抵抗性前立腺がん」となっている。

ノクサフィル錠100mg、(ポサコナゾール、MSD)
薬効分類:617(主としてカビに作用するもの(内用薬))
効能・効果:造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における 深在性真菌症の予防、真菌症(フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫)の治療
薬価:100mg1錠 3,109.10円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.3万人、販売金額112億円)加算なし
費用対効果評価への該当性:該当する(H1:原価計算方式で開示度50%未満)

▽ノクサフィル点滴静注300mg(ポサコナゾール、MSD)
薬効分類:617(主としてカビに作用するもの(注射薬))
効能・効果:造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における 深在性真菌症の予防、真菌症(フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫)の治療
薬価: 300mg16.7mL1瓶 28,508円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.8千人、販売金額7.1億人
加算なし

アゾール系抗真菌薬。エルゴステロールの生合成を阻害することで、抗真菌活性を示す。血液疾患領域での深在性真菌症は確定診断が困難な場合が多く、発症すると予後不良であるため、同種造血幹細胞移植後等では抗真菌薬の予防投与が国内外のガイドラインで推奨されている。

チラーヂンS静注液200µg(レボチロキシンナトリウム水和物、あすか製薬)
薬効分類:243(甲状腺、副甲状腺ホルモン剤(注射薬))
効能・効果:・粘液水腫性昏睡 ・甲状腺機能低下症(ただし、レボチロキシンナトリウム経口製剤による治療が適さない場合に限る)
薬価:200μg1mL1管 20,211円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数636人、販売金額1.8億円
加算:有用性加算(Ⅱ)A=5%、新薬創出等加算
有用性加算(Ⅱ)A=5%:理由「これまで本邦には粘液水腫性昏睡を効能・効果に有する薬剤は存在せず、レボチロキシンナトリウムの内用薬を経鼻胃管で投与する等の対応をとっている状況 である。海外のガイドライン等では本剤の静脈内投与が標準的治療法として記載されており、本邦においても同様に粘液水腫性昏睡の標準的治療になると考えられること等から、治療方法の改善が示されていると判断し、有用性加算(Ⅱ) (A=5%)とすることが適当と判断した。」

静注製剤は、意識が混濁し、経口投与ができない重症患者でも投与が可能となる。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を経て、厚労省が開発要請した品目。

コレクチム軟膏0.5%(デルゴシチニブ、日本たばこ産業)
薬効分類:269(その他の外皮用薬)
効能・効果:アトピー性皮膚炎
薬価:0.5%1g 139.70円
市場予測(ピーク時7年後):投与患者数581千人、販売金額50億円
加算なし

外用のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、アトピーに用いる初のJAK阻害薬として承認された。細胞内の免疫活性化シグナル伝達を担うJAKの働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、自己免疫・アレルギー性疾患を改善するとされる。薬価収載後は鳥居薬品が販売する。


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