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第一三共 20年3月期決算 リクシアナ伸長で5.6%増収 今期はいよいよエンハーツに期待

公開日時 2020/04/28 04:51
第一三共は4月27日、2020年3月期決算の売上高が対前年同期比5.6%増の9818億円だったと発表した。国内医療用医薬品売上高は102億円増の5335億円。ただ、トップ製品の抗凝固薬・リクシアナが4月の薬価改定で特例拡大再算定が適用され、25%の薬価引下げが影響するなど、20年度は単品で80億円の減収を見込む。こうしたなか期待を寄せる製品が、3月に国内で承認を取得した抗がん剤・エンハーツだ。真鍋淳代表取締役社長兼CEOは、「第一三共としては期待を込めた新薬。臨床試験結果も素晴らしいものがあるので、第一三共のオンコロジー領域のインフラを整備していきたい」と述べた。

2020年3月期の同社の純利益は38.2%増の1291億円。営業利益は65.8%増の1388億円だった。国内医療用医薬品売上高ではリクシアナのほか、19年4月に上市した疼痛治療薬・タリージェが80億円を売上げ、増収に寄与した。また、オーソライズドジェネリック(AG)などの第一三共エスファ品も50億円増の605億円だった。

同社の業績を伸長させたリクシアナの2019年度売上高は、対前年同期比181億円増の830億円まで成長した。19年第4四半期には、売上シェアを37.0%まで伸ばし、シェアトップを確実なものとするなど、この領域での営業力を誇示した格好となっている。一方で、20年度は薬価改定の影響が直撃し、旧薬価ベースでは170億円増を見込むものの、80億円減収の売上高750億円を見込んでいる。この影響などを受け、21年3月期決算の業績予測は1.2%減収の売上高9700億円と見通す。営業利益は36.1%減の800億円。

◎米国でのエンハーツ 3か月で32億円売上 眞鍋社長「順調な立ち上がり」を強調

同社が次期主力品として期待を寄せるのが抗がん剤・エンハーツだ。1月に転移性乳がんへのサードライン以降の治療法として上市した米国では、3か月で32億円を売上げるなど、当初計画の20億円を上回った。アストラゼネカとの共同販促を進め、すでに米国の医療機関780施設が採用し、このうち515施設では複数回の納入実績がある(3月27日時点)。真鍋社長は、「順調な立ち上がり」と自信を覗かせ、20年度に米国で270億円の売上を見込む。

国内では、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」の適応を取得。15億円の売上高を計画する。間質性肺疾患(ILD)の副作用が報告されており、承認は、有効性・安全性の情報提供や、全例調査が条件となっている。このため、安全性情報の周知徹底する必要性を強調し、着実な浸透を視野に入れる。真鍋社長は、「社員、営業一堂非常に大きな期待を持っている。一方で、ILDもあるので正しい情報を伝えながら進んでいきたい」と述べた。

このほかに伸長を期待するタリージェについて、来期は倍増の160億円の売上を計画する。同剤は、α2δリガンド製剤と呼ばれ、リリカ(一般名:プレガバリン)が同クラスにある。真鍋社長は、α2δリガンド製剤での治療対象患者数は174万人、市場規模は約1100億円と大規模な市場があることを強調。「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版追補版」に、末梢性神経障害疼痛の治療に際し、「プレガバリンと同様に使用できる」と記載されたほか、3月から長期処方が解禁されたことなどを説明し、市場浸透の加速に意欲をみせた。同剤をめぐっては、中枢性神経障害性疼痛の適応拡大と、口腔内崩壊錠(OD錠)の開発も進行中という。

◎新型コロナウイルス感染症の処方影響は「限定的」 新規患者には「若干鈍化」

新型コロナウイルス感染拡大の影響についても言及した。現時点における処方への影響は、「限定的」と説明した。長期処方が増加しているものの、継続患者には「概ね継続されている」と説明した。一方で、新規患者への処方は「若干鈍化の傾向がある」とした。特に、注射用鉄剤が経口薬に代替されるなど、一部製品については減少傾向だとした。注射薬であるエンハーツについても、新規患者への処方動向を注視する構えも示した。また、医薬品の安定供給には「大きな影響はない」と説明。国内外の各工場は通常稼働しているとした。このほか、臨床試験については、「患者さんの安全、および医療関係者の負担軽減を最優先にする」と説明。一部で患者登録に影響が出ているとしたが、非臨床試験を含めて「大きな影響はない」とした。

なお、今回の決算は、新型コロナウイルス感染拡大の決算への影響は織り込んでいないという。同社は、現時点では収束可能な時期を正確に見通せないと説明。仮に世界的な活動制限が第2四半期まで続いた場合は、売上高に3~5%(約300~500億円)のマイナス影響があるほか、事業活動への影響による経費の支出抑制があると説明。営業利益への影響は軽微としている。


【19年度連結業績 (前年同期比) 20年度予想(前年同期比)】

売上高 9818億円(5.6%増) 9700億円(1.2%減)
営業利益 1388億円(65.8%増) 800億円(42.4%減)
親会社帰属純利益 1291億円(38.2%増) 560億円(56.6%減)

【19年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】

トラスツズマブ デルクステカン 140(1)392
エドキサバン 1540(1177)1630
オルメサルタン 1008(1059)780
プラスグレル 181(232)非開示

【19年度の国内主要製品売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】

リクシアナ 830(649)750
ネキシウム 798(783)780
メマリー 505(502)240
プラリア 309(274)330
テネリア 247(253)240
ロキソニン 283(305)220
イナビル 193(182)180
ランマーク 179(164)180
エフィエント 140(139)140
レザルタス 146(155)120
カナリア 128(92)150
ビムパット 112(66)140
オムニパーク 103(120)70
オルメテック 117(149)80
タリージェ 80(-)160
エンハーツ -(-)15
第一三共エスファ品 605(555)非開示
ワクチン事業 356(415)非開示

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