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アンジェス 米エメンドを262億円で買収 ゲノム編集技術と治療プログラム持つ世界初の企業に

公開日時 2020/11/10 04:49
アンジェスは11月9日、先進的なゲノム編集プラットフォーム技術を持つ米エメンドバイオ社を2億5000万ドル(約262億5000万円)で買収することで合意したと発表した。アンジェスはすでにエメンドの発行済み株式の40.1%を保有しているが、今回、残り59.9%の株式全てを取得する。アンジェスは、治療プログラム(=開発候補品のことで、製品化するまでのプログラム)とゲノム編集技術を一体として所有する世界初の企業となる。

アンジェスの山田英社長(写真左)はこの日、東京都内で会見し、「当社は究極の遺伝子治療であるゲノム編集の分野に進出したいと考え、昨年度よりイメンド社に投資してきた」とした上で、今回の買収で「既存治療法ではアプローチできなかった多くの適応症に対応できるゲノム編集技術を獲得した」と説明した。

ゲノム編集とは特定の遺伝子を特異的に切断、編集、改変すること。ゲノム編集技術により、特定の機能を失わせたり、疾患の原因となっている遺伝子の異常を修正する方法が開発されてきた。

人は、父方と母方からなる塩基配列が同じ2つの対立する遺伝子を持つ。遺伝子疾患には父方と母方両方の遺伝子に異常がある場合と、父方と母方のどちらかの遺伝子だけに異常がある場合がある。ゲノム編集によって異常な遺伝子を編集しようとすると、既存のゲノム編集技術では、もう片方の正常な遺伝子(対立遺伝子)まで編集してしまう可能性がある。エメンドの編集技術では、対立遺伝子のわずかな違いを確実に識別し、対立遺伝子の一方を傷つけることなく、もう一方のみをターゲットにして編集できるという。

アンジェスの笈川義徳特別顧問(写真右)は、「エメンドの主なイノベーションは、片方のアレル(=対立遺伝子)だけを編集できる能力」と説明し、「片方のアレルの異常だけをターゲットとして、より多くの遺伝性疾患を安全性を損なうことなく治療できるようになる」と述べた。今後考えられる適応症としてはがん、神経系、眼科、皮膚科、免疫疾患、血液系、循環器系、治療法のない常染色体顕性遺伝子疾患、厳密な発現調節を要する遺伝子疾患――など多岐にわたるとし、マーケットサイズは1.1兆円にのぼると話した。
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