新型コロナウイルスの感染者が東京都などで過去最大を更新するなかで、日本医師会の中川俊男会長は11月18日の定例会見で、今週末からの連休を「秋の我慢の３連休として過ごして欲しい」と呼びかけた。「移動を自粛してもらうことが重要だ。一人ひとりの行動の積み重ねにより、全国でのまん延を防ぐことができる」と訴えた。往来の自粛を呼びかける具体的な地域については明言しなかった。中川会長は、「最前線にいる医療従事者を守ることにより、医療崩壊を防がないといけない。国民の皆さんにはぜひ我々の声に耳を傾けてほしい」と強調した。

11月18日には新規感染者数が初めて全国で2000人を超えた。医療提供体制としても、「東京都や北海道などではすでにひっ迫している。その他の地域でももうすぐひっ迫するだろうと聞いている。医療提供体制を守るためにも、国民の皆さんに直接呼びかけている」と中川会長は危機感を表明した。

◎東京の感染者数は1日で過去最高の493人　「中高年の割合が増えている」

特に1日で493人の過去最高の感染者数が報告された東京都については、「第1波や第2波と違って若年者主体ではなく、中高年の割合が増えている」と説明。高齢者は基礎疾患を合併する患者が多く、ハイリスクであることから重症化への懸念を示した。

中川会長は、万全な感染対策の重要性を強調。これまでのような夜の街だけでなく、感染経路が拡がっている一方で、一部で医師が必要と判断したにもかかわらず、検査を拒むなどコロナ慣れがあることも指摘。「コロナに慣れないでください。コロナを甘く見ないでください」と注意喚起した。「我々は万全の感染予防対策が結果的に一番の経済対策につながると考えている」との考えも示した。