中外製薬 日本IBMと生産機能のDX推進 浮間工場をモデルに生産性・信頼性向上と働き方改革実現へ
公開日時 2021/01/13 04:50
中外製薬は1月12日、日本アイ・ビー・エムと協働して生産機能のデジタルトランスフォーメーション(DX)を展開すると発表した。浮間工場をモデルケースとして、生産性向上、信頼性向上、働き方変革を推進する。2022年半ばを目途に新しいオペレーションを支えるデジタル基盤を構築する。その上で各施策および他拠点への展開にむけた検証を行う方針だ。
生産機能のデジタルトランスフォーメーションは「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の基本戦略の1つに位置づけられるもの。同社の目指すデジタルプラントは、「デジタルで生産業務を変革し、生産性を高めて人財を高付加価値化する」をコンセプトに据えている。具体的には、①計画、②直接業務、③間接業務-の各段階で、人とオペレーションのデータ連携の最適化を図る。また、人に着目した生産機能のDXを展開することで、自社創薬の加速と環境変化への対応を果たし、生産性向上、信頼性向上、働き方変革を実現したい考え。
デジタル基盤の構築と具体的な活用イメージは、製造系、品質系、要員系などの各種データソースからの情報を共通のデータ基盤に集約し、現場に適した情報端末からアクセスできる業務システムと連携させるというもの。効率的な生産・要員計画および進捗管理、GMP文書検索、現場のリモート支援など、一連の生産業務を通じた業務改革に活用する。
製薬本部長兼中外製薬工業の田熊晋也社長は、「生産機能におけるDXは、業務プロセスや働き方、組織風土の変革を通じ、将来の環境変化にも対応可能な価値創造型組織へと成長する好機と捉えている」と強調。日本IBMを強力なパートナーとして「着実かつ速やかなデジタルプラントの実現に向け進めたい」とコメントした。