EMA J&Jの新型コロナワクチンで血小板減少を伴う稀な血栓のリスク 添付文書上に明記
公開日時 2021/04/22 04:49
州医薬品庁(EMA)の安全性委員会(PRAC)は4月20日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンの新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、血小板減少を伴う稀な血栓症を稀な副作用とする結論を出したと発表した。添付文書上、明記することも義務付ける。ただ、ワクチンのベネフィットはリスクを上回るとの考えも示した。
PRACは、米国での死亡例1例を含む血栓症発症の8例の報告を含め、入手可能なデータによるエビデンスを精査した。その結果、全症例が60歳未満で、ワクチン接種後3週間以内に発症していた。また、過半数は女性だった。しかし、現段階では、特定のリスクファクターは確認されていない。米国では700万人以上が同ワクチンの接種を受けている(2021年4月13日時点)。発症した血栓症で、主に脳静脈洞血栓症(CVST)および腹腔内静脈血栓症などだった。
EMAは、各国消費者および医療専門職に対して、ワクチン接種後血栓発症の可能性があること、接種後の症状発現に留意することなどをそれぞれ呼びかけた。
ワクチンは、18歳以上の成人における新型コロナの予防の適応で、2021年3月11日に欧州委員会(EC)から条件付き販売承認を取得していた。