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国がん がん患者の新型コロナ抗体量少なく 薬物療法の影響か

公開日時 2021/06/03 04:50
国立がん研究センターは6月2日、新型コロナウイルス抗体保有率と抗体量について、がん患者と健常人を比較したところ、がん患者では、抗体量が有意に低いことが明らかになったと発表した。抗体保有率に差はなかった。同センターでは、細胞障害性抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬といった薬物療法が、がん患者の抗体量に影響を与える可能性が示唆されたと指摘。「抗体量の違いと感染リスクの関係はまだわかっていない。治療を継続して、抗体量を増やすためにワクチンを打ってほしい」としている。

調査は、国立がん研究センターとシスメックスが共同で行ったもので、2020年8月 から 10 月にかけて、500 人のがん患者と1190人の健常人が参加した。調査には、同センターと同社、それに国立国際医療研究センターが共同開発した抗体検査を使用し、化学発光酵素免疫測定(CLEIA)法により、ヌクレオカプシドタンパク質(N抗原)、スパイクタンパク質(S抗原)に対する抗体(lgM、lgG)を定量的に検出した。

その結果、抗体保有率については、研究参加前にコロナに罹患していた参加者を除いた解析集団において、患者群2(0.4%)に対し、健常人群5(0.42%)と有意差は認めなかったが、抗体量については、患者群は健常人群と比較して、抗体量が有意に低かったことがわかった。N-IgGについては、健常人群では0.2U/ml(0.1-0.5IQR)だったが、がん患者群では0.1SU/ml(0-0.3IQR)となったほか、S-IgGについては、健常人群0.2U/ml(0.1-0.4IQR)に対し、患者群0.1SU/ml(0-0.2IQR)となった。またN-IgMについては、健常人群2.38 SU/ml(1.23-4.4IQR)に対し、患者群は1.24 SU/ml(0.62-2.73IQR)、S-IgMについては、健常人群で2.1 SU/ml(1.0-4.4IQR)に対し、患者群が0.9 SU/ml(0.4-2.2IQR)—となった。

調査では、1か月以内のがん治療と抗体量の関連についても比較しており、細胞障害性抗がん剤を使用中の患者で、有意にN-IgGが低値だったことがわかった。患者群0.1 SU/ml(0-0.3IQR)に対し、健常人群では0.1SU/ml(0-0.4IQR)だった。一方、免疫チェックポイント阻害剤を使用中の患者では、有意にN-IgG、S-IgGが高かった。N-IgGは患者群0.15 SU/ml(0.1-0.5IQR)に対し、健常人群0.1 SU/ml(0-0.3IQR)、S-IgGは患者群0.15 SU/ml(0-0.3IQR)に対し、健常人群0.1 SU/ml(0-0.2IQR)—だった。このため同センターでは、「細胞障害性抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤といった薬物療法ががん患者の抗体量に影響を与える可能性がある」と指摘。そのうえで、「がんの合併やがん治療がどのように新型コロナウイルス感染症に対する免疫応答に影響を与えるかについてはさらなる検討が必要だ」としている。

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