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21年度改定で「安定確保医薬品」の約65%が引下げ 日薬連薬価研「薬価の維持・下支えする措置の充実を」

公開日時 2021/06/14 04:53
日本製薬団体連合会(日薬連)の保険薬価研究委員会(薬価研)は6月11日、毎年薬価改定の初年度となった2021年度改定について、「安定確保医薬品」と推察される4251品目のうち、約65%が薬価引下げを受けたとの研究結果を発表した。薬価研では、安定供給を確保するために「薬価を維持・下支えするための措置の充実が必要」とし、「基礎的医薬品の対象として追加するなど、要件等の緩和についても検討すべき」としたほか、G1・G2ルールの適用から除外することを主張している。

安定確保医薬品は厚労省が2021年3月に医療上不可欠であり、幅広く使用され、安定確保について特に配慮が必要な医薬品としてリスト化したもの。最も優先して取り組みを進める安定確保医薬品(カテゴリA)としては、ワルファリンやメトトレキサート、セファゾリンなど21成分を指定している。政府が示した新たな成長戦略実行計画の原案でも、優先度の高いものは「継続的な安定供給が可能な薬価設定を検討」とされており、2022年度改定の焦点のひとつとなることが想定されている。

薬価研は、安定確保医薬品としてリストに掲載された全成分である506成分(カテゴリA~C)について、告示品目に照らして安定確保医薬品4251品目の改定状況も調べた。その結果、約65%に当たる2772品目が引下げを受けた。薬価が維持されたものが1470品目、引上げを受けたのは9品目だった。

◎21年度改定影響率 薬価研加盟社▲3.7% GE薬協▲8.9% PhRMA・EFPIA▲2.9%

毎年薬価改定の導入初年度となった2021年度改定は、全品目が対象とはならず、乖離率5%超の品目が対象となった。薬価研は、「何らかの改定処理が適用された品目」は全品目の7割以上にのぼったとの研究報告を発表した。薬価研運営委員会社55社の改定品目は76.1%、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の会員32社では86.7%、米国製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の会員22社では74.7%――あった。

薬価研は、▽同一製造販売業者の同一成分で同一含量の2規格(例:通常錠とOD錠)がある場合、片方が改定の基準を満たし、もう片方が改定対象の基準を満たさなかった場合、2規格とも改定処理された▽規格間で価格逆転が生じ、価格逆転防止処理が適用された品目があった(例:5mgの薬価の方が10mgより高くなったケース)――といった事例をあげた。価格逆転防止処理が適用された品目は計1569品目あり、全品目の12.9%を占めた。薬価研は会見で、「実際には平均乖離率5%超の基準を満たさなくても改定品目になったものがあった」と説明した。

21年度改定の影響率についてのアンケート結果もこの日、報告した。改定影響率は、薬価研会社▲3.7%、GE薬協▲8.9%、PhRMA・EFPIA▲2.9%だった。調査は4月に実施し、90社が回答した。薬価研加盟55社(GE薬協9社、PhRMA・EFPIA10社を含む)、GE薬協32社、PhRMA・EFPIA22社。

改定品目数は、薬価研加盟社6911品目、GE薬協5675品目、PhRMA・EFPIA972品目だった。改定品目の多くで引下げを受けた。一方で、新薬創出等加算や基礎的医薬品などで改定対象とはならず、薬価が維持された品目もあった。薬価研加盟社20.5%(1415品目/6911品目)、GE薬協26.8%(1520品目/5675品目)、PhRMA・EFPIA12.8%(124品目/972品目)――だった。

カテゴリー別に改定品目数の割合をみると、先発品(後発品なし)は、薬価研加盟社64.6%(1093品目/1692品目)、GE薬協74.3%(81品目/109品目)、PhRMA・EFPIA74.3%(423品目/666品目)だった。

後発品のある先発品の改定品目数の割合は同・89.5%(1042品目/1164品目)、86.9%(53品目/61品目)、94.1%(350品目/372品目)――、後発品の改定品目数の割合は同89.8%(4070品目/4530品目)、89.4%(4986品目/5580品目)、100%(34品目/34品目)――だった。

◎22年度薬価改定へ 調整幅は「自由取引下で実勢価格が形成される状況等についての十分な検証が必要」

このほか、薬価研は22年度薬価制度改革に向けて、新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬加算)については、「有用な効能追加を行った医薬品」も同加算の対象にすべきと訴えるなど、収載後のイノベーション評価を求めた。企業要件・企業指標については、「今後更なる企業間格差が生じる方向で見直す必要は乏しい」とけん制した。一方、市場拡大再算定類似品については、「薬価を一律に引き下げる必要性は乏しい」、「当該課題は早急かつ適切な対応が必要」と強調した。このほか、調整幅については、「調整幅のあり方について検討される場合には、自由取引下で実勢価格が形成される状況等についての十分な検証が必要」と丁寧な議論を求めた。

長期収載品については、▽安定確保医薬品▽開発要請に対応している品目▽再審査期間中の効能を有する品目――はG1・G2ルールの適用から除外するよう求めた。G1撤退スキームについても、増産対応企業がなく撤退できない場合は「例えばG1品目の薬価改定ルールから除外し実勢価改定とする、あるいはG2品目とするといった薬価上の措置を検討すべき」とした。

後発品については、「信頼回復を図り厳格な製造管理・品質管理の下に供給するという前提ではある」と指摘。そのうえで、「継続的な新規後発品収載と上市後の安定供給を維持し得るコストを確保する観点から、新規後発品の薬価算定ルールにおける係数の引下げ及び価格集約ルールのさらなる見直しの必要性は乏しい」と主張した。

◎新医薬品の収載時期 薬価改定年の薬価収載時期 一律の遅れに問題提起

薬価改定が行われる年では、新医薬品の薬価収載時期が一律に2月から4月にずれる。この点について薬価研は、迅速に患者アクセスが確保されるよう、「4月収載分については、優先審査品目のような早期アクセスが必要な品目は特例的に取り扱うといった対応も検討すべき」とも提起した。
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