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厚労省 業務停止日数上限を「180日間」に引上げ 小林化工・日医工問題踏まえ法令遵守、再発防止強化

公開日時 2021/06/25 19:55
厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は6月25日、行政処分における業務停止日数の上限を「概ね110日」から「180日」に引き上げたと発表した。2016年に当時最長となる110日間の業務停止命令を国から受けた化血研以降も、小林化工や日医工など、「法令遵守意識が欠如している極めて悪質な事例」が相次いだため。「我々が求める認識に残念ながら到達していない」(監視指導・麻薬対策課)として、法令遵守体制の強化と再発防止の観点から、処分基準を見直し、新たに「業務停止命令等取扱規則」を制定した。業務停止日数の上限引き上げとあわせて、全都道府県で基準の平準化も図り、全ての都道府県で適用する。適用日は8月1日付。

◎監麻課「(法令遵守は)我々が求める認識に残念ながら到達していない」


これまでの処分基準が定められた2011年以降も、化血研や小林化工、日医工などの違反事例が相次いでいる。こうした状況について、監視指導・麻薬対策課は、「社会情勢の変化による企業のコンプライアンスに対する国民意識の変容に必ずしも対応しきれていない」と指摘。特に、小林化工や日医工の問題に対しては、「我々が求める認識に残念ながら到達していない」(監視指導・麻薬対策課)と強調した。国会や医療関係団体からは、「業務停止命令日数が十分ではないのではないか」との指摘も相次いでいた。

◎「組織的違反行為、信頼失墜行為に対する処分規定」を新設・厳格化


主な改正点は、業務停止日数の上限引上げ等を含む処分基準の要件の明確化・厳格化することと、全国での処分基準の統一化の2点だ。

行政処分は、違反態様の悪質性、結果の重大性、有責性を基本事項として判断するが、新たに「組織的違反行為、信頼失墜行為等に対する処分規定」を加える。

イトラコナゾールに睡眠薬が混入し、健康被害を出したことで、福井県は小林化工に過去最長となる116日間の業務停止命令を今年2月に出した。その後、3月には業界最大手の日医工が製造販売承認書と異なる製造方法で製造していたとして、32日間の業務停止の行政処分が課されている。これらの事案について、監視指導・麻薬対策課は、「製造販売業者等として本来有すべき法令遵守意識が欠如している極めて悪質な事例が見受けられる」と指摘。①上層部が関与した上での組織的な違反行為や隠ぺいを行った、②違反行為により健康被害が発生した事例がある、③医薬品の品質や安全性に関する国民からの信頼を失墜させた―点を重く見た。

新たに処分規定に加え、▽主たる違反以外にも複数の法令違反があるか、▽医薬品の品質、安全性に対する国民からの信頼が失墜させられたか、▽違反内容の医療機関等への情報提供や、回収等措置が適切であったか、▽過去に薬機法違反による処分歴があったか―の要素を考慮する。社内での自己点検の結果、違反内容を把握し、自主申告を行った場合、軽減措置を講ずることも盛り込んだ。

◎国と都道府県で処分基準を統一

あわせて、国と都道府県の処分基準を統一する。これまで都道府県ごとに処分の基準がバラバラで、日数の根拠なども明確となっていなかった。厚労省は、処分内容の公平性担保の観点から、平準化を行う必要があると判断した。

処分対象となるのは、①医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の製造販売業者、②医薬品等の製造業者、③医療機器の修理業者-。処分の内容は、許可または登録の取消し、業務の全部または一部の停止。


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