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製薬協・田中常務 医局説明会は「安全性」軸に構成を 「有効性・安全性」のワンフレーズやめたい

公開日時 2021/10/11 04:52
日本製薬工業協会の田中徳雄常務理事は10月9日、オンライン開催した第31回日本医療薬学会年会のシンポジウムで、「“有効性・安全性”という言葉がワンフレーズになっているのをもうやめたい」と指摘。「MRが行う医局説明会は“安全性”からやる。添付文書がそうなっているのに、何で実態がそうなってこないのか」と問題提起した。田中常務理事は8月26日開催のMRフォーラムで、MRの名称を「適正使用推進者」に変更する提案を行っている。この日は、「販促資材という言葉も大嫌いだ」と述べ、「適正使用推進資材」に統一するよう提案したほか、企業主催の講演会を「適正使用推進講演会」に名称変更するよう求め、「ここを全面に押し出していきたい」と強調した。

◎再びMSL問題 「MSLにMR紛いの活動させる会社、すでに終わっているなと思う」田中常務


日本医療薬学会のシンポジウム「製薬企業から提供される情報の適正化に向けて~新しい生活時代では製薬企業からの情報をどう扱うか」では、オンライン参加者の質問を中心にディスカッションが行われた。参加者からは「MSLの資格は様々。MRの代わりに宣伝を目的としているMSLもいる。企業任せでいいのか」との質問があがった。

◎「MSLに問題点があるのであれば、しっかり教育すべき」MR認定センター・近澤氏

MR認定センターの近澤洋平事務局長は、「GVPで定義される医薬情報担当者の役割を担っている人は、それにふさわしい資質向上をすべき」と述べ、「MSLに問題点があるのであれば、しっかり教育すべきだ。MRが資格をもってMSLをやるとか、そのような動きになって欲しいと思う」と強調した。

田中常務理事は、「MSLにMR紛いのようなことをやらせている会社があるとすれば、すでに終わっているなと思う」と痛烈に批判した。その上で、「こんなことやっていると、MRもMSLも両方潰れる。頭だけ挿げ替えれば良いという話では全くない」と警鐘を鳴らした。

◎「対立的な部分が見える時もある」杏林大医学部付属病院・若林氏


杏林大学医学部付属病院の若林進氏は、「MRは営業部門に、MSLはメディカルアフェアーズという違う部門に所属している。だから、指揮系統も教育系統も違っている。対立的な部分が見える時もあり、(社内で)うまく情報共有ができていないところが我々からみてもある」と指摘した。薬剤部の立場からは、「(現場の)意見が(本社の各部署に)伝わっているといいなと思う」と述べ、社内における情報共有などをしっかり徹底して欲しいと訴えた。

◎MR活動とネット情報「共存だと思う」田中常務理事


コロナ禍におけるMR活動とネット情報の活用にも議論が及んだ。若林氏は、「製薬各社のHPを毎日見るのは大変なので、見出しを取り上げてくれるサイトはありがたい。情報収集の一つだと思う」と述べた。一方、近澤事務局長は、「患者の信条や感情、将来に対する不安などが重視される中で、すべてがネットで完結する訳ではない。MRの存在意義はあるのではないかと思う」と指摘した。田中常務理事は、「共存だと思う。MRがいらないということにはならない」と強調した。

◎後発品の出荷調整問題「メーカーと卸の情報に若干の齟齬も」実務薬学総合研究所・水氏

相次ぐ後発品の出荷調整も話題となった。実務薬学総合研究所の水八寿裕氏は、「医薬品産業ビジョン2021」に国による情報の一元的な把握や供給調整業務など、国と連携して緊急時を見据えたサプライチェーンの効率化・強靭化に取り組むとの提言について賛同する姿勢を表明した。ただ、医療現場の立場からは「出荷調整の表現が分かりにくい。何がどこまで滞るのかという今後の展開や見通しが分からない」などと指摘し、「文言の統一なども含めて、新しい取り組みの中でまとめて欲しい」と述べた。このほか水氏は、メーカーの発出情報と医薬品卸の情報に若干の齟齬があるとも指摘し、「現場としては何を信じて良いのかわからない」と述べ、対応を求めた。また、医療者有志による「医療用医薬品供給状況データベース」を作成・運営する動きがあると紹介。国や業界団体のサポートなどに期待感を示した。

◎「医薬品としての品位を」日本大学病院薬剤部・佐々木氏

日本大学病院薬剤部の佐々木祐樹氏は、東京都薬剤師会が取り組んでいる製薬企業の製品情報概要等に関する不適切事例報告を紹介した。この中で佐々木氏は、「医薬品としての品位」に触れ、医薬品等適正広告規準に規定されていることを改めて指摘した。その上で具体的事例を紹介しながら、「正しい医薬情報を伴わない医薬品は、医薬品として機能し得ない」と述べた。一方で医療従事者側に対しては、「提供された情報を正しく評価できる力を養う」ことが医薬品の適正使用につながるとの見解を示した。

ディスカッションの取りまとめで田中専務理事は、「“有効性・安全性”という言葉を何十年も使ってきた。しかし、添付文書の冒頭には禁忌、使用上の注意から始まっている。“有効性・安全性”という言葉がワンフレーズになっているのを止めたいと考えている」と述べた。一方、MRの医局説明会にも触れ、「有効性から始まり、最後に安全性となるが、時間がなくなりスライドも1枚か2枚で終わってしまうこともある。こんなことをいつまでもやっている時代ではない」と述べ、「有効性・安全性」でなく、「安全性・有効性」に変えたいと述べた。


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