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医療用アセトアミノフェン コロナワクチン要因の処方急増が一段落 9月に現役世代も減少

公開日時 2021/10/29 04:51
医療用解熱鎮痛薬アセトアミノフェンの処方患者数が9月に、20歳以上の現役世代も減少局面に入った。65歳以上高齢者への同剤の処方は6月をピークに減少していたが、20歳以上65歳未満は8月をピークに、9月に処方が減ったことが確認された。新型コロナのワクチン接種の加速に合わせて同剤の処方も急増した。9月は若年層を中心にワクチン接種が続いたが、日別接種回数は減っており、ワクチン要因による同剤の処方急増は一段落したとみられる。

これは調剤レセプトで実際の処方動向を把握・分析するインテージリアルワールド社(IRW)のデータによるもの。

アセトアミノフェンの処方患者数(拡大推計)は今春から伸び続け、6月頃に急伸した。3月以降の処方患者数を見ると、3月231万人、4月241万人、5月261万人、6月360万人、7月360万人――と推移し、6月に大きく伸びたことがわかる。そして、8月329万人、9月276万人――と、全体では2カ月連続で前月から減少した。

年代区分別に処方患者数を見ると、65歳以上高齢者は、3、4月は約100万人、5月は116万人に投与されたが、6月は196万人と一気に伸びた。6月には全処方患者数に占める65歳以上の割合は54%と過半数を占めた。その後は、7月152万人、8月111万人、9月103万人――と落ち着きを見せ、7月には65歳以上への投与割合が過半数を割った。

7月頃から自治体などでの65歳未満への接種や職域接種が本格化した。このワクチン接種の動きに合わせて20歳以上65歳未満への同剤の処方も動き、5月95万人、6月103万人、7月134万人、8月158万人――と、7月以降に、より伸びたことがわかる。そして直近の9月は120万人と前月から処方が減った。

IRW社は今後の同剤の処方動向の見通しについて、今年3~4月にワクチン接種を終えた医療従事者を中心に3回目の追加接種の準備が進められ、追加接種が一般にも広がるとみられることから、「再度アセトアミノフェンの処方が急増する可能性がある」と分析している。
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