MSD 経口新型コロナ治療薬候補・モルヌピラビル 日本政府と約160万治療コース供給で合意
公開日時 2021/11/11 04:50
MSDは11月10日、経口新型コロナ治療薬として開発中のモルヌピラビル(MK-4482)について、薬事承認後、約160万治療コース分供給することで日本政府と合意したと発表した。契約は、約12億ドル(約1370億円、税込み)。
モルヌピラビルは、リボヌクレオシドアナログで、SARS-CoV-2の複製を阻害することで、作用を発揮すると期待される。臨床試験の結果から、重症化のリスク因子(高齢、肥満、糖尿病など)を有する軽症から中等症患者への効果が期待されている。米メルクは、米国と約310万コース分の供給で契約を結ぶなどしており、他の政府とも協議を進めるとしている。2021年末までに1000万治療コース分、22年は少なくとも2000万コース分を生産する計画としている。
MSDのカイル・タトル代表取締役社長は、「MSDは感染症領域で長年にわたり研究を進めてきた歴史があり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生当初から、有効な対策の開発に全力で取り組んできた。 モルヌピラビルで期待される効果が示されたことは嬉しく、承認後にはこの薬剤を広く提供できるよう日本政府とは今後も密に協力していきたい」とコメントを寄せている。