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塩野義製薬 経口新型コロナ治療薬を国内申請 内資系製薬企業で初

公開日時 2022/02/25 13:40
塩野義製薬は2月25日、経口新型コロナ治療薬について国内で製造販売承認申請を行ったと発表した。条件付き早期承認制度の適用を求めている。第2/3相臨床試験のうち、軽症/中等症患者を対象としたPhase 2b partの主要評価項目を達成したことを受けたもの。経口新型コロナ治療薬として承認されれば、内資系企業で初めてとなる。

申請されたのは、同社と北海道大の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬(開発番号:S-217622)。Phase 2b partでは、軽症/中等症の新型コロナ患者428例を高用量群(低用量の2倍)、低用量群、プラセボ群に無作為に割り付けた。1日1回、5日間経口投与し、抗ウイルス効果および臨床症状の改善効果を比較した。日本から419例、韓国から9例が組み入れられた。

◎主要評価項目はウイルス力価で有意な減少も 症状改善は統計学的有意差を認めず

主要評価項目に据えた、4日目(3回投与後)におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの変化量は、高用量群、低用量群ともにプラセボ群に比べて有意な減少を示した。ウイルス力価陽性患者の割合は両用量群ともに10%未満で、プラセボ群との比較でPhase 2a partの成績1 を上回る減少率となった。

一方で、新型コロナの症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)までの単位時間あたりの変化量は、プラセボ群に比べ改善傾向を認めたものの、統計学的に有意な差は認められず、主要評価項目を達成しなかった。ただ、同試験の集団で特徴的な症状だった呼吸器症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ (呼吸困難))の合計スコアは、高用量群、低用量群ともに有意な改善効果が認められた。

安全性については、「Phase 2a partの結果と同質であり、新たに懸念される有害事象等は認められなかった」としている。

同社は、1200例を目標症例数とした、軽症/中等症の新型コロナ患者を対象としたPhase 3 partと、300~600例の無症候/軽度症状の感染者を対象としたPhase 2b/3 partを実施中同社は、「評価を加速し、結果が得られ次第、速やかに提出する」としている。


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