企業主催Web講演会 講演概要の事前告知、医師の7割近くが希望 視聴後の講演サマリを求める声も
公開日時 2022/11/07 04:52
製薬企業主催のWeb講演会で、講演概要の事前告知を希望する医師が7割近くに達していることがわかった。Web講演会の案内は演題テーマと講師の所属・氏名で構成されるものが多く、5~6行の概要まで記載した案内は少数派とされる。視聴した医師から不満が出る場合、演題テーマと内容があっていないことに起因することが少なくない。いらぬ不満を抱かせて、次回以降の当該企業のWeb講演会を敬遠されないようにするためにも、講演概要を事前告知するなどミスマッチを回避する工夫が求められそうだ。
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この調査結果は、医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ(MCI)が22年7月にインターネットを通じて医師を対象に行ったもの。調査対象は製薬企業サイトや医療関係企業サイトを閲覧している医師で、有効回答数は5012人(HP:3853人、GP:1159人)。結果は「医師版マルチメディア白書2022年秋号」としてまとめた。
Web講演会を「利用したい」「やや利用したい」と回答した医師4197人に対し、演題・演者情報だけでなく講演内容の概要も事前に知りたいかを聞いたところ、「希望する」が67.2%、「希望しない」が9.2%、「どちらでもいい」が23.6%――となり、事前告知を希望する医師が圧倒的に多い結果となった。
◎視聴後に欲しいサービス 上位に「講演サマリ」や「参加者からのQ&A集」
また、この医師4197人に、Web講演会を視聴中または視聴後に利用したいサービスを聞いたところ、トップ3は「講演サマリの配布」(44.1%)、「引用文献のリンク提供」(27.3%)、「参加者からのQ&A集の配布」(18.3%)――となった。講演内容を改めて活字で確認したい、自身でデータを調べたいとの意向が垣間見える。講演サマリなどの取りまとめは企業内の審査もあり、簡単ではないが、今回の調査結果から医師側のニーズは高いことがわかる。なお、視聴中・視聴後に利用したいサービスとして、「MRへの問い合わせ」は11.2%だった。
◎Web講演会の困りごと トップは「日程が合わず視聴できないことがある」
このほか、Web講演会の配信形式については、「当日のLIVE配信+オンデマンド配信」を求める医師が85.4%、「当日のLIVE配信のみ」は14.6%――となった。8割以上の医師がオンデマンド配信も求める傾向は、2年前の20年10月調査と同じ。
オンデマンド配信を求める声が多い理由は、「Web講演会で困っていること/不便だと感じていること(以下、困りごと)」との調査結果にヒントがある。困りごとのトップ3は、「日程が合わず視聴できないことがある」(85.4%)、「視聴したいと思っていた講演会を忘れて視聴できないことがある」(81.2%)、「同じ講演内容を再度視聴したいと思う時がある」(66.1%)――で、いずれもオンデマンド配信で解決できる困りごとだった。医師のニーズに応え、機会損失を最小化するためにも、オンデマンド配信は必須とすべきではないだろうか。