ファイザー 再発又は難治性のCD22陽性ALL治療薬・ベスポンサ 小児適応を一変申請
公開日時 2023/08/02 04:47
ファイザーは7月27日、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病(ALL)治療薬・べスポンサ点滴静注用1mg(一般名:イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え))について、小児適応を追加する一変申請を行ったと発表した。同剤は2018年1月に成人適応で承認され、4月から販売している。
ベスポンサは、ヒト化抗CD22モノクローナル抗体・イノツズマブに、細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体・オゾガマイシンをリンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体(ADC)。B細胞性急性リンパ性白血病のがん細胞の表面に発現するCD22抗原を標的とする薬剤で、同抗原に結合し、細胞傷害性を有するオゾガマイシンが細胞を破壊するとされる。
今回の申請は、医師主導治験である国内第1相試験(INO-Ped-ALL-1試験)と、同じく医師主導の海外第1/2相試験(ITCC-059試験)の結果に基づく。小児の再発又は難治性ALL患者を対象としたINO-Ped-ALL-1試験およびITCC-059試験では、本剤の高い完全寛解率と微小残存病変(MRD)陰性率が認められ、寛解持続期間、造血幹細胞移植(HSCT)またはキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法への移行率、無イベント生存率(EFS)、全生存期間(OS)、非寛解または再発の累積発生率も「良好な結果が得られた」としている。安全性は、両試験において、成人の再発又は難治性ALL患者と同様に、管理可能な安全性プロファイルを示したという。