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新薬6成分6品目が薬価収載 PNH治療薬・エムパベリは9月4日発売予定

公開日時 2023/08/31 04:50
新薬6成分6品目が8月30日に薬価収載された。発売は、活動期潰瘍性大腸炎治療薬・コレチメント錠(フェリング・ファーマ)は9月1日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬・エムパベリ皮下注(Swedish Orphan Biovitrum Japan)は9月4日、胆道がん治療薬・リトゴビ錠(大鵬薬品)は9月7日を予定している。なお、エムパベリはピーク時売上が100億円以上と予想されている。

薬価収載された新薬6成分の発売日(予定、未定含む)は次のとおり。カッコ内は成分名、製造販売元。

【9月1日発売予定】
コレチメント錠9mg(ブデソニド、フェリング・ファーマ)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(内用薬)
効能・効果:活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)
薬価:9mg1錠 607.80円(1日薬価:607.80円)

局所作用型ステロイドであるブデソニドを有効成分とする経口剤。MMX(Multi-Matrix System)技術を用いたDDS製剤で、患部である大腸でブデソニドを長くかつ広範囲に放出するように設計されている。用法・用量は「通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回朝経口投与する」。フェリングが承認を取得、持田製薬が製品供給を受けて流通・販売を行う。

【9月4日発売予定】
エムパベリ皮下注1080mg(ペグセタコプラン、Swedish Orphan Biovitrum Japan)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果: 発作性夜間ヘモグロビン尿症
薬価:1080mg20mL1瓶 48万8121円(1日薬価:13万9463円)

赤血球の破壊(溶血)を引き起こす補体蛋白C3の機能を阻害するPEG化ペプチド(補体C3阻害薬)。現在、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬として、アレクシオンファーマの補体C5阻害薬ソリリス点滴静注及びユルトミリス点滴静注、同HI点滴静注が使用されているが、C5阻害薬が投与された一部の患者ではC3を介した血管外溶血が認められており、治療上の課題となっている。本剤は、C5阻害薬で効果不十分な患者が投与対象となる。旭化成ファーマと日本国内における独占販売契約を締結している。

【9月7日発売予定】
リトゴビ錠4mg(フチバチニブ、大鵬薬品)
薬効分類:429その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
薬価:4mg1錠 1万252.50円(1日薬価:5万1262.50円)

FGFR1、2、3、4を不可逆的かつ選択的に阻害する経口の共有結合型FGFR阻害薬。FGFR1-4のATP結合部位に結合しFGFRを介するシグナル伝達経路を阻害することで、FGFR1-4遺伝子異常を持つ腫瘍細胞の増殖を抑制し、細胞死を誘導する。用法・用量は、「通常、成人には、フチバチニブとして1日1回20mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。

FGFR阻害薬としてはインサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンの胆道がんなどを対象疾患とするペマジール錠に続く2剤目。

【その他】
▽アクトヒブ
(乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)、サノフィ)
薬効分類:631 ワクチン類(注射薬)
効能・効果:インフルエンザ菌b 型による感染症の予防
薬価:10μg1瓶(溶解液付) 4941円(1日薬価:4941円)

アクトヒブは2008年12月に発売され、定期接種化されているHibワクチン。これまで薬価基準未収載だった。アクトヒブが今回、薬価収載されることになった背景は、Hibワクチン接種が事前に必要な補体C3阻害薬・エムパベリ皮下注(一般名:ペグセタコプラン)が23年3月に承認されたことにより、「今後混合診療による保険給付の制限を回避するため」(サノフィ広報部)。アクトヒブの添付文書の「保険給付上の注意」では、「本剤はペグセタコプラン投与患者に保険給付が限定される」と記載されている。

なお、エムパベリは8月30日に薬価収載され、9月4日発売予定。

【発売日未定(非開示含む)】


リットフーロカプセル50mg (リトレシチニブトシル酸塩、ファイザー)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬)
効能・効果:円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)
薬価:50mg1カプセル 5802.40円(1日薬価:5802.40円)

JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬。ATP(アデノシン三リン酸)結合部位の遮断により、JAK3および5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤。円形脱毛症の病態に関与するIL-15、IL-21の共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することから、治療効果が期待できると考えられている。

なお、円形脱毛症に対して承認されているJAK阻害薬にはオルミエント錠があり、リットフーロは2剤目となる。

オンキャスパー点滴静注用3750(ペグアスパルガーゼ、日本セルヴィエ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫
薬価:3750国際単位1瓶 23万637円

大腸菌由来L-アスパラギナーゼ(L-ASP)をポリエチレングリコールで化学修飾(PEG化)した抗悪性腫瘍酵素製剤。PEG化によって半減期が延長し、長期間にわたり薬の効果が期待できる血中アスパラギナーゼ活性を維持する。L-ASPは、血中のL-アスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに分解し、L-アスパラギンを枯渇させることにより、増殖においてL-アスパラギンを必須とする急性リンパ性白血病(ALL)などの悪性腫瘍に対して増殖抑制作用を示すと考えられている。

同剤は、他の抗悪性腫瘍剤と併用して、2週間間隔で用いる。なお、21歳以下の患者は体表面積0.6㎡以上の場合は1回2500国際単位/㎡(体表面積)を、体表面積0.6㎡未満の場合は1回82.5国際単位/kg(体重)を投与する。22歳以上の患者は1回2000国際単位/㎡(体表面積)を投与する。

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