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住友ファーマ・23年度上期 コア営業損失658億円 計画より赤字拡大 国内事業は40%減収

公開日時 2023/11/01 04:50
住友ファーマの野村博代表取締役社長は10月31日、2023年度第2四半期決算説明会に臨み、上期のコア営業損失が658億円で、期初計画の478億円の損失から赤字幅が拡大したことを明らかにした。米国特許が2月に満了したラツーダの北米の上期売上は40億円で、前年同期から1236億円の大幅減となった影響が大きかった。国内事業は前年同期比40.3%減の585億円。前年上期に167億円を売り上げた2型糖尿病治療薬・トルリシティの販売提携契約が22年12月で終了し、売上がゼロとなったことなどが響いた。

◎ツイミーグ 12月の限定出荷解除に向け「頑張っている」

野村社長は、日本事業に関して、2型糖尿病治療薬・ツイミーグの限定出荷の解除時期についても言及した。製品を安定供給できていないことを陳謝した上で、「12月に限定出荷を解除することを目途に頑張っている」と述べ、原薬メーカーの協力を得て原薬を調達し、同社鈴鹿工場で3交代制を敷いて在庫を積み増している状況にあると説明した。

また、野村社長はこれまでに、国内MRを対象とした早期退職者募集を行うことを否定し、自社MRの能力を発揮できる製品導入やプロモーション提携も進める考えを示していた。この日の説明会で、提携先候補と交渉中であることを明らかにし、「我々としては提携もしっかり行っていく。今年度中に話せる形にしたい」と述べ、今年度中に提携契約をまとめることに意欲を示した。

◎通期売上は修正せず 北米のデジタルマーケ事業に本社積極関与で「どう変わるか見極めたい」

連結売上の4割近くを占め、ピーク時売上が2000億円超あった抗精神病薬・ラツーダが23年2月に米国で特許が満了した。同社は期初に、この“ラツーダクリフ”の影響で、23年度は2期連続の営業赤字となるだけでなく、コア営業損益も赤字になるとの見通しを示した。具体的には23年度通期計画(連結)は売上3620億円(前年同期比34.8%減)、営業損失780億円、コア営業損失620億円――とした。

一方、23年度上期の連結業績は、売上1526億4200万円(前年同期比52.2%減)、営業損失864億9800万円、コア営業損失658億4900万円――で、通期計画で立てた減収幅や赤字幅を超えてしまった。

野村社長は、通期計画を今回修正しなかったことについて、「計画を達成できるから据え置いた、というわけではない」と説明。北米での基幹3製品(オルゴビクス、マイフェンブリー、ジェムテサ)の下期のデジタル施策の効果と売上貢献を見極める姿勢を強調した。特に7月に米国子会社・孫会社計7社を1社に統合し、住友ファーマ本社も北米でのデジタルマーケティング活動に積極的に関与できる体制を整えたことから、「様々な施策の効果がどう表れるかをまず見たい。我々としては第3四半期、第4四半期に、(3製品の処方や売上が)どのように変わっていくのかをしっかり見極めたい」と述べた。

◎23年度からデジタルマーケ専門チームの分析取り入れ

野村社長によると、北米3製品のうち進行性前立腺がん治療薬・オルゴビクスの23年度上期売上は、計画の1億5500万ドルに対して実績は1億3800万ドル(達成率89%)となり、数量ベースで85%の達成となった。子宮筋腫・子宮内膜症治療薬のマイフェンブリーの売上は計画の6000万ドルに対し2900万ドル(達成率49%)にとどまり、数量ベースで64%の達成にとどまったことも響いた。

両剤とも本格的なデジタルマーケティングを開始したのは23年度からだと言い、米国子会社の統合を機に本社も関与して戦略をブラッシュアップしていることを明らかにした。例えばオルゴビクスでは6月以降、デジタルマーケの専門チーム「Advanced Analyticsチーム」による分析を取り入れ、処方医への的確な内容の訴求及び営業担当者がタイムリーに医師を訪問する仕組みの改善に着手した。

マイフェンブリーでも、パートナー企業のファイザーとともに、「Advanced Analyticsチーム」を交えて人員配置・ターゲティングを継続的に適正化する取り組みを推進。同チームを活用してDTCの効果と効率を改善し、新たなDTCを立ち上げる準備も進めているとした。

過活動膀胱治療薬・ジェムテサは、計画の1億5600万ドルに対して実績は1億1200万ドル(進捗率72%)だったが、数量ベースでは計画の98%を達成した。同剤の場合、計画に対するメディケアパートDでの数量割合の増加、及び同剤未カバーの保険加入者での数量割合の減少により価格が悪化したことが売上に響いた。下期はWebやクリニック待合室でのデジタル広告など認知向上の取り組みを進める方針だ。

なお、現中期経営計画では、北米3製品の合計で24年度2000億円、27年度4000億円の売上計画を立てている。

◎統合失調症P3で主要評価項目未達のulotaront 「現在詳細解析中」 事業性評価も

このほか、開発品に関しては、統合失調症を対象とした米国での第3相臨床試験で主要評価項目を達成できなかったulotarontについて、「プラセボ効果が高く出た理由を含めて現在詳細解析中」と話した。それとともに、事業性評価も踏まえて23年度第4四半期にパートナー企業の大塚製薬と何かしらの合意をする予定だと説明した。TAAR1アゴニストのulotarontは住友ファーマの創製品で、ラツーダを超えるブロックバスターになると期待する次期主力品候補。

双極I型障害うつを対象に日米で第3相試験を実施していたSEP-4199については、リクルート進捗が年単位で遅れており、事業性も考慮した結果、試験を中止したと説明した。同剤も大塚製薬と今後の開発方針を検討する。

【23年度上期の連結業績 (前年同期比) 23年度通期予想(前年同期比)】
売上高 1526億4200万円(52.2%減) 3620億円(34.8%減)
コア営業利益 ▲658億4900万円(-) ▲620億円(-)
営業利益 ▲864億9800万円(-) ▲780億円(-)
親会社帰属純利益 ▲677億4100万円(-) ▲800億円(-)

【23年度上期の国内主要製品売上高(前年同期実績) 23年度通期予想、億円】
エクア・エクメット 158(173) 324
トレリーフ 85(86) 150
ラツーダ 57(46) 125
メトグルコ 37(40) 75
ツイミーグ 26(5) 42
ロナセンテープ 18(14) 33
トルリシティ -(167) -
オーソライズドジェネリック品 46(46) 86
*トルリシティ以外は仕切価ベース。トルリシティは薬価ベース。
 
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