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24年度薬価改定影響率 不採算品再算定特例でプラス改定企業がまたも出現 新創品乖離率超見直しで打撃

公開日時 2024/03/06 08:00
ミクス編集部が2024年度薬価改定の影響率を各社別に調査したところ、23年度薬価改定に続き、特例的な不採算品再算定の影響が色濃く、“プラス改定”企業も現れることが明らかになった。不採算品再算定品を最多となる66成分66品目抱えるツムラは「プラス24%」となるなど大幅な引上げとなった。一方で、市場拡大再算定に加え、新薬創出等加算品の見直しで平均乖離率超の品目で加算が適用されない影響も大きく出た。主力品のイクスタンジが市場拡大再算定を受けたアステラス製薬の影響率は「約8%」、オプジーボの市場拡大再算定適用に加え、DPP-4阻害薬・グラクティブなどの薬価が維持できなかった小野薬品は「9%台」の影響となるなど、打撃を受けた。

文末のダウンロードファイルから、「2024年度薬価改定製薬会社の影響率」、「2024年度薬価改定各社主力品(汎用規格)の改定率」がダウンロードできます(会員限定)


◎ツムラ、Meiji Seikaファルマ、富士製薬はプラス改定に

ミクス編集部が製薬85社(回答:61社)調査したところ、改定の影響率がプラスとなったのはツムラ、Meiji Seikaファルマ、富士製薬の3社だった。

改定影響率がプラス24%と大幅アップとなったツムラは、「ツムラ⼤建中湯1g」が50.5%、「ツムラ抑肝散1g」が50.5%、「ツムラ芍薬⽢草湯1g」が50.7%、「ツムラ⽜⾞腎気丸1g」が50.0%など、主力品が不採算品再算定により大幅に引き上げられた。

感染症領域に注力し、不採算品再算定品に加え、基礎的医薬品を多く有するMeiji Seikaファルマの改定影響率は「プラス1%」。11成分27品目に不採算品再算定品が適用された。主力品の「スルバシリン静注⽤1.5g」が14.4%、「スルバシリン静注⽤3g」が18.6%、「メロペネム点滴静注⽤0.5g「明治」」が6%引き上げられた。いずれも、不採算品再算定と基礎的医薬品に該当。供給不安が続く中で、医療現場のニーズの高いポートフォリオを揃えたことがプラスに働いた。後発品を47成分132品目と多く有する同社だが、後発品の企業指標も「A区分」となり、現行の価格帯集約とは別の上の価格帯に集約された品目も6成分13品目あった。24年度薬価制度改革で導入された後発品の企業指標では、薬価の乖離状況が指標の一つに据えられており、同社の流通への姿勢も結果に影響したと言えそうだ。

後発品を中心とする企業では、富士製薬が「プラス1.23%」。不採算品再算定は8成分31品目に適用された。新薬創出等加算品の「エフメノカプセル100mg」、「ウトロゲスタン腟⽤カプセル200mg」の薬価も維持された。後発品の企業指標も「A区分」となり、現行の価格帯集約とは別の上の価格帯に集約された品目も3成分3品目(うち、安定確保医薬品A:1成分1品目、安定確保医薬品B:1成分1品目)で、同社のポートフォリオが改定結果につながった。

◎ジェネリックメーカーの影響率は圧縮傾向 沢井製薬は「約1%」

23年度薬価改定でプラス改定となったニプロの改定影響率は0.5%とマイナスながらも小幅にとどまった。不採算品再算定品は64成分140品目で、改定の影響度を吸収する結果となった。

「(仕切価を)上げる余地のあるものは、もうギリギリいっぱいまで上げる」とサワイグループホールディングスの澤井光郎代表取締役会長兼社長が明言し、仕切価戦略の見直しにいち早く踏み切った沢井製薬の改定影響率は「約1%」。23年度の8.2%から大幅な圧縮を実現した。不採算品再算定も58成分96品目に適用された。日医工も約0%となった。東和薬品の影響率は5.2%だった。

なお、24年度薬価制度改革では、急激な原材料費の高騰、安定供給に対応するため、企業から希望のあった品目を対象に特例的に適用。23年度改定に続き、“全ての類似薬について該当する場合に限る”との規定を適用しない特例的な対応を行った。ただし、平均乖離率が7%超の品目は除外されている。

◎アステラス製薬「約8%」、小野薬品「9%台」に 2型糖尿病治療薬の薬価引下げ響く

市場拡大再算定や新薬創出等加算の見直しの影響も色濃く出た。新薬創出等加算は薬価を維持するシンプルな仕組みに見直されたが、全品目の平均乖離率超となった品目については、新薬創出等加算品目には該当するとみなすものの、加算を適用せず、薬価を維持できない仕組みとなった。平均乖離率超となる品目の多くは、大型品がひしめく競争市場で、見直しの影響は大きく響いた。

アステラス製薬の改定影響率は「約8%」。主力品のイクスタンジ錠80mgが11.5%の引下げを受けたほか、SGLT2阻害薬・スーグラ錠50mgが平均乖離率超となり、5.6%の引下げを受けた。

小野薬品の改定影響率は「9%台」。オプジーボ点滴静注240mgが市場拡大再算定により15.0%の引下げを受けた。さらに、新薬創出等加算品のDPP-4阻害薬・グラクティブ錠50mg が5.0%、カイプロリス点滴静注⽤40mgが4.0%など、平均乖離率の要件を満たせず、薬価の引下げを受けたことが響いた。2型糖尿病治療薬は平均乖離率超となる品目が多く、エクア50mgが7.2%の引下げを受けた住友ファーマの改定影響率は「5%台半ば」、ルセフィ2.5mgが7.3%の引下げを受けた大正製薬は「6%台後半」となった。

一方で、エンハーツ点滴静注⽤100mgやタリージェ錠5mg、プラリア⽪下注60mgシリンジと多くの市場拡大再算定を受けた第一三共は「約4%」。新薬創出等加算品のランマーク⽪下注120mgが平均乖離率超となり、4.0%の引下げも受けた。

ただ、主力品のエンハーツは、市場拡大再算定を受けたものの、「希少疾病に係る加算(A=10%)」、「真の有⽤性に係る加算(A=10%)」により引下げが緩和され、2.6%の引下げにとどまっている。日本を含む国際共同治験で開発が進められていることを踏まえた措置で、革新的新薬を生み出す流れを後押ししている。ドラッグ・ラグ/ロスの解消を柱の一つとした24年度薬価制度改革だが、こうした企業の革新的新薬創出に向けた取組みが、今後の企業の姿を占うとも言えそうだ。

(ミクス編集部・薬価改定調査取材班 望月英梨、神尾裕、岡山友美、梅澤平、沼田佳之)
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