ノバルティス ファーマ 抗IgE抗体製剤・ゾレアでペン製剤の承認取得 300mg製剤も
公開日時 2024/03/11 04:50
ノバルティス ファーマは3月8日、抗IgE抗体製剤・ゾレア(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え))について、新たにペンタイプの容器に充填された注射液製剤(以下、ペン製剤)の承認を取得したと発表した。ペン製剤の規格は、既存のプレフィルドシリンジ製剤の2規格(75mg、150mg)に、300mg製剤を加えた3規格となる。
ゾレアは、2019年6月のプレフィルドシリンジ製剤の発売により、凍結乾燥製剤の溶解操作が不要になった。ただ、21年8月に気管支喘息と特発性の慢性蕁麻疹において在宅自己注射の対象として認められたこともあり、医療従事者、患者の双方にとって、より簡便で安全に使用できる製剤が望まれていた。
ペン製剤は皮膚に押し付けると自動で薬液が注入される。このため投与時の操作性が簡便になることに加え、注射針が露出していないため誤って注射針を刺してしまうなどの事故防止にもつながることから、「医療従事者、患者さんの双方が求める治療選択肢の一つとなることが期待できる」としている。さらに今回新たに追加となった300mgの用量は、1回投与量が300mg以上必要となる患者において投与本数を減らすことができるため、投与そのものの負担軽減も期待できる。
ゾレアは、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体で、アレルギー反応に関与しているIgEに直接結合し、その作用を特異的に阻害することで気管支喘息、特発性の慢性蕁麻疹、季節性アレルギー性鼻炎の病態の根底にあるアレルギー炎症反応を抑制する。