小野薬品は３月22日、英オックスフォード大学と革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズの検証と化合物の取得を目的とした包括的な創薬提携契約を締結したと発表した。まず、小野薬品の研究重点領域の一つであり、オックスフォード大においても専門性を有する神経領域の研究テーマから進める。

提携に基づき、オックスフォード大は創薬シーズの検証試験と化合物のスクリーニングを実施。小野薬品が医薬品候補化合物の創製、開発、商業化に取り組む。小野薬品は医薬品候補化合物を全世界で独占的に開発・商業化するオプション権を保有する。

オックスフォード大は医薬品の創製に注力するCentre for Medicines Discoveryを有し、基礎研究を基軸として独自性の高い創薬シーズや制御が難しい標的群のヒット化合物の取得を可能にする研究基盤と創薬能力を持つ。小野薬品は、がん、免疫、神経、スペシャリティ領域を創薬の重点領域と定め、「オープンイノベーションを積極的に推進し、革新的な医薬品の創製に取り組む」としている。

オックスフォード大のCentre for Medicines Discovery、Pharmaceutical Discovery部門のJohn Davis 教授は「様々なアンメットメディカルニーズに対する新たな治療アプローチを検証するために、小野薬品と包括的提携を開始できることをうれしく思う。革新的な学術研究と、製薬業界のパートナーが持つ医薬品開発のための視点や能力を統合することで、新たな研究成果を生み出す可能性が加速すると期待している」とコメントしている。