MSD キイトルーダで子宮体がんに対する化学療法との併用を一変申請
公開日時 2024/04/15 04:49
MSDは4月12日、抗PD-1抗体・キイトルーダについて、進行又は再発の子宮体がんに対する化学療法との併用療法(一次治療)を一変申請したと発表した。同剤は、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がんに対するレンビマとの併用療法が承認されているが、これは二次治療以降の選択肢となっている。
今回の一変申請は、多施設共同無作為化二重盲検第3相試験であるKEYNOTE-868/NRG-GY018試験のデータに基づく。
同試験では、ミスマッチ修復機構(MMR)の状態にかかわらないIII/IV期または再発の子宮体がんに対する一次治療として、キイトルーダと化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法及びその後のキイトルーダ単独療法は、主要評価項目であるMMRが正常な(pMMR)集団およびMMRが欠損している(dMMR)集団における無増悪生存期間(PFS)について、対照群のプラセボと化学療法との併用療法およびその後のプラセボ投与に対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示した。同試験における併用療法の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していた。
子宮体がんは子宮体部にできるがんで、そのほとんどが子宮内膜から発生することから子宮内膜がんとも呼ばれる。自覚症状は不正出血が最も多く、進行すると下腹部の痛みや性交時の痛み、腰痛や下肢のむくみなどの症状が現れることもある。子宮体がんはがんが子宮に留まっている範囲で発見できれば比較的予後が良いといわれるが、進行または再発した場合の治療法は限定的で、新たな選択肢が求められている。日本では2019年に約1.8万人が子宮体がんと診断され、22年には約2800人が亡くなっている。